Go to contents

K9自走砲、ベトナムに20門輸出…東南アジア・共産圏では初

K9自走砲、ベトナムに20門輸出…東南アジア・共産圏では初

Posted August. 15, 2025 08:56,   

Updated August. 15, 2025 08:56


「K防衛産業」の代表格であるK9自走砲(写真)がベトナムに輸出される。K9自走砲が東南アジア市場に販売されるのは今回が初めてで、ベトナムは韓国を除いて世界で10番目にK9を導入する国となる。

14日、関連業界によると、韓国とベトナム政府はK9自走砲20門を約2億6千万ドル、韓国ウォンで約3500億ウォン規模で供給する政府間取引(G2G)契約を締結した。

これにより、ベトナムは東南アジア諸国の中で初めてK9自走砲を運用することになる。韓国の兵器体系が共産圏国家に輸出されるのも初めてだ。ベトナムは過去に韓国の退役哨戒艦の無償提供を受けたことはあるが、韓国の兵器を正式に輸入したことはなかった。

ベトナムは南シナ海の南沙諸島をめぐって中国と領有権を争っており、できるだけ早く兵器を確保したい状況だという。そのため、性能と価格条件が合致したK9自走砲の導入に積極的に乗り出したとみられる。

今回の輸出でK9運用国は韓国を除いて10ヵ国に増えた。これまでにインド、エジプト、エストニア、オーストラリア、トルコ、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ルーマニア(五十音順)などにK9自走砲が輸出された。

ポーランドへの輸出を機に、最近、韓国の防衛産業企業は東欧市場に集中してきた。ハンファエアロスペースはポーランドにこれまで200門以上のK9を供給しており、まだ納品すべき物量が152門残っている。54門の輸出契約を結んだルーマニアには、現地に生産工場を設立して現地生産に乗り出す予定だ。

中国と東南アジアの複数の国が領土・領有権紛争を繰り広げていることから、東南アジア地域の兵器輸出市場が短期間で拡大する可能性があるという見通しも出ている。韓国防衛事業庁は、フィリピン国防省と韓国航空宇宙産業(KAI)が今年6月にFA-50軽攻撃機12機を輸出する契約を結ぶ際に主導的な役割を果たした。2014年に12機を輸出して以来、11年ぶりの「再契約」で、約1兆ウォン(約7億ドル)規模に達した。

特にフィリピンは現在、少なくとも30機規模の多目的戦闘機導入事業を推進しており、米国や日本など多数の国が注目している。候補機種として現在、韓国のKF-21も挙がっているという。K2戦車を生産する現代(ヒョンデ)ロテムは、東南アジア防衛産業市場への進出を模索している。

東南アジア防衛産業市場の競争国としては、米国と日本が挙げられる。米国は強力な戦闘機技術力で、また、防衛装備移転三原則のもとで兵器輸出の道が開かれた日本は、艦艇技術力を基盤に、東南アジア攻略に乗り出している。

ただし、韓国の防衛産業企業が兵器販売とともに技術移転を約束する場合、東南アジア諸国の選択を受ける可能性があるという見方もある。ある防衛産業企業関係者は「東南アジア諸国のほとんどが単純な兵器購入ではなく、技術移転を含む契約を望んでいる」とし、「東欧進出時にも技術移転と現地生産が大きな助けになったように、アジア市場にもこのような『オプション』を提示すれば雰囲気が変わる可能性がある」と指摘した。


李沅柱 takeoff@donga.com