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K-POP、文学になる

Posted July. 28, 2025 09:04,   

Updated July. 28, 2025 19:07


トップアイドルが殺害された。頭部に致命傷を負い、リフトから転落した。ファンが見守る中で…。

小説家イ・ソミン氏の新刊小説『アイドル殺人』(エリクシール)はこのような場面から始まる。警察が発見した事件現場には、危険な工具が散乱している。急いで舞台を設置・撤去する現場の状況から仕方ないとはいえ、いつ凶器として使われてもおかしくない物ばかりだ。「いくらなんでも、釘まで打ち込まれたものが何の対策もなくむき出しなのは危険すぎませんか」という警察の言葉に、スタッフは「原則的には片付けるのが正しいですが、そんな時間はありません」と答える。労災現場で繰り返されてきたセリフと場面で、小説はアイドル産業の明暗を浮かび上がらせる。

世界的な人気を得ているK-POPが、韓国文学作品の主要な素材になっている。過去にはアイドルを素材にした作品はオンラインコミュニティで連載されるファンフィクションなどのサブカルチャーに留まっていたが、最近ではその地位が変化した。文壇の主流作家たちもアイドルを素材にした作品を次々と発表し始めている。

最近目覚ましい成果を挙げた作家として、イ・ヒジュ氏(33)がいる。幼少期にH.O.T、god、東方神起を「推し活」して成長したというイ・ヒジュ氏は、ファンが「推し」スターの精子の提供を受けたことで起こった出来事を扱った短編『推しの子』で今年の文学トンネ若い作家賞を受賞した。K-POPアイドルを誘拐する内容を描いた長編『聖少年』は昨年、海外版権契約を通じて米ハーパーコリンズ、英パン・マクミランからそれぞれ1億ウォン台の契約金を受け取った。ハーパーコリンズは『聖少年』について「『BUTTER』(柚木麻子)の暗い衝動と『ミザリー』(スティーブン・キング)の息詰まる緊張感を融合させた作品」と評価した。

K-POPを素材とした文学は、さまざまな観点からアイドルファンダム文化を再び照らし出す。『推しの子』はアイドルファンダムの否定的な面を無視しない。むしろ不快な裏側に焦点を当てることで、対象を独占しようとする欲望や一方的な関係から生じる位階関係を明らかにする。例えば、推し活に多額をつぎ込みながらも、「推し」に自分の醜い容姿を見せるのが怖くてファンサイン会に応募しない人物が登場する。

スター以外の存在にスポットライトを当てるのも特徴だ。『アイドル殺人』では、パニック障害で引退した元アイドル、アイドルが歌っている間に昇降ボタンを押すためにリフト内でしゃがんで搭乗するスタッフなどが登場する。イ・ソミン氏は「作家の言葉」で「憧れの対象は誰にでもあるが、時には過度な理想に蝕まれることもある」とし、「Kエンターテインメント産業は、実は爆発寸前の危うい状態なのかもしれない」と語った。「成長ばかりに集中して成熟への道を見えなくさせてはいないか」というのが作者の問題意識だ。


キム・ソミン記者 somin@donga.com