普段から野党「国民の力」の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表の党運営路線に批判的な同党の若手議員に対し、なぜもっと大きな声を上げないのか、重鎮議員たちはなぜ傍観しているのかと尋ねたことがある。
その議員は「正直、張代表が2028年総選挙の公認権を行使する可能性を念頭に置かざるを得ない」と話した。党員投票80%、逆選択防止条項を適用した一般世論調査20%で行われる全党大会のルールを考えれば、強硬支持層に密着した張氏が次期全党大会で再選する可能性を想定しておかなければならないということだ。出口戦略もなく張氏批判に乗り出せば、次期総選挙で公認を受けられない状況が起こり得るため、議員たちにとっては、むしろ状況を静観することが合理的な選択という説明だ。
党内の多くの議員がこうした認識を共有している。強硬支持層中心の指導部と、それを懸念しながらも考えを外に出せない議員たちの雰囲気は、「国民の力」の全党大会ルール抜きには考えにくい。
現在の全党大会ルールは、尹錫悅(ユン・ソクヨル)前大統領の「引き算の政治」の残滓だ。21年6月の全党大会では、民意の圧倒的な支持を受け、議員経験ゼロの30代だった李俊錫(イ・ジュンソク)候補(現・改革新党代表)が当選した。しかし、「李俊錫体制」で大統領選に勝利した尹氏と「親尹(親・尹錫悅)」グループは、直ちに李氏と「権力乱打戦」を繰り広げた末、李氏を党から追放した。
その後、党を完全掌握した親尹グループは、「党の主人は党員だ」として、党員支持70%、民意30%だった全党大会ルールを、党員支持100%へ変更した。民意から遠ざかるようルールを変えれば副作用が大きいとの懸念は少なくなかったが、「非尹(非・尹錫悅)」勢力に党権を握らせないことが最優先目標だったため、懸念はすぐ黙殺された。
民意反映0%がもたらした結果は、24年4月総選挙の惨敗だった。その後、首都圏議員を中心に、党代表選出へ民意を大幅に反映すべきだとの声が高まり、これに反対する党主流派の慣性と衝突した末に妥協したのが、党員支持80%、民意20%だ。
だが、現在の基準でも大きく不十分だというのが、多くの若手議員の声だ。同じく民意20%を反映した24年全党大会、25年全党大会、そして現在と、状況は変化しているという。尹氏の戒厳と弾劾を経て、強硬党員の濃度はさらに高まった。彼らが党内選挙や指導部を揺さぶる強度も一層強くなった。民意で「塩気」を抜かなければ、党路線と一般有権者の認識の乖離がさらに深まるとの恐怖が党内外を覆っている。
強硬党員が左右する選挙で当選した党代表は、彼らへの「借り」を返さざるを得ない。構造的な変化がなければ、民意とかけ離れた「国民の力」の姿は、誰が代表になっても繰り返される可能性が高い。
政党の目標は政権獲得であり、議会で多数党となることだ。「国民の力」は、わずか4年前に政権再創出を果たした。当時、政権交代を導いた原動力は、「足し算の政治」と民意への敏感さだった。派閥を問わず政権再創出へ総力を挙げた「国民の力」議員たちが、この記憶を忘れているはずがない。「国民の力」が再び政権担当政党を目指すなら、民意に近づくための全党大会の「ゲームのルール」改正論議に乗り出さなければならない。
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