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ドン、ドン、ドン…正体不明の「騒音」がアパートを襲う

ドン、ドン、ドン…正体不明の「騒音」がアパートを襲う

Posted July. 23, 2025 09:40,   

Updated July. 23, 2025 09:40


密閉された空間、繰り返される出所不明の音…。

映画の中でこれほどまでに胸を高鳴らせる題材はそう多くない。今夏、「騒音トラブル」をモチーフにした韓国のホラースリラー映画2本が観客のもとにやってくる。劇場公開作「ノイズ」とネットフリックス映画「84m2」だ。

2作品はいずれも、私たちにとって身近な「密閉空間」であるアパートを舞台としている。マイホームを手に入れた人物を主人公に据えたのも、騒音トラブルを巡る正体不明の存在を追いかける過程を描いたことも共通している。しかし、上映プラットフォームが映画館とオンライン動画サービス(OTT)に分かれているため、演出スタイルは明確に分かれている。

●オリジナル・スリラーVSリアリティ・スリラー

「恐怖の核心は聴覚にある」という本質をより巧みに活かした作品は「ノイズ」である。映画館上映という空間的特性を活かし、サウンドを前面に押し出した。主人公のソ・ジュヨン(イ・ソンビン)は、マンションで行方不明になった妹を捜しに向かう。騒音トラブルの犯人を追い、隣人と対立していた妹の足取りをたどる。この過程で、「ドンドン」と響く足音や耳障りな正体不明の物音など、繊細な音響効果の演出が張り詰めた緊張感を生み出している。

主人公が聴覚障害者という設定も印象的だ。劇中で恐怖感を高める題材の一つは、ソ・ジュヨンが使用する音声認識人工知能(AI)アプリケーションである。家に誰もいないはずなのに、突然アプリに音声認識が表示され、意味不明な言葉が書き込まれる瞬間。従来のホラー映画では見られない不気味さを醸し出する。補聴器越しに聞こえる奇怪な音も、全身をゾクゾクさせる。

これに比べ「84m2」はリアルな恐怖を追求している。興味深いのは、「ノイズ」と同じ音響・音楽監督だが、OTT作品らしくより心理的な緊張に焦点を当てた演出がなされている点だ。本作は、騒音トラブルそのものに焦点を当てているわけではない。借金に苦しむノ・ウソン(カン・ハヌル)が仕手筋が関与したコインを購入することから物語は展開される。

映画の中で最も恐ろしい瞬間も、ノ・ウソンがコインを売却しようとする場面でもある。コインが最高値に達するのを待っていたノ・ウソンは、騒音トラブルの主犯格とされ、状況がこじれ、結局予定していた時間に売却できず、全財産を失う羽目になる。平凡な人々にとって、これほど恐ろしい出来事があるだろうか。

●結末は期待外れも興行収入は好調

両作品とも後半に行くほどやや期待外れになる点も似ている。「ノイズ」は幽霊や憑依といったオカルト現象を登場させることで物語のトーンが突如変わる。「84m2」もまた、事件の背景設定をやや非現実的なものにすることで、物語の説得力を損なっている。

「84m2」は、2030若者世代の住居事情から住宅価格の高騰と下落に一喜一憂するアパートコミュニティ、ずさんな監理と不正、アパート所有による階層格差などが描かれた作品だ。しかし、スリラーとしての面白さよりも、あまりにもメッセージ性が強調される印象は否めない。最後までジャンル的な流れを維持していたらどうなっていただろうか。

成績は悪くない。どちらも馴染みのある題材で、俳優たちの熱演が際立っている。誰もが共感できる日常の緊張感を高めている点もプラス要因だ。22日、映画振興委員会の映画館入場券統合電算網の集計によると、「ノイズ」は先月25日の公開以来、累計観客数150万人を突破した。「84m2」もグローバルOTTランキングサイト「FlixPatrol」によると22日、ネットフリックス映画でグローバル3位まで上がった。


キム・テオン記者 beborn@donga.com