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「休むのも勇気だ」その資格があるなら…

Posted March. 11, 2026 08:41,   

Updated March. 11, 2026 08:41


生来の怠け者だからだろうか。野球を見始めたころから疑問に思っていた。どうせアウトなのに、なぜあの打者はあんなに懸命に走るのだろう。体力には限界があるはずなのに、毎回一塁に向かって全力疾走する必要があるのだろうか。力を温存して次の打席でより力強くバットを振った方がよいのではないか。

大谷翔平(31、ロサンゼルス・ドジャース)も同じように考えていたようだ。大谷は2026ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を前に大阪で行われた2度の練習試合で5打数無安打に終わった。そして4日、大会会場の東京ドームで開かれた公式記者会見で「コンディション管理のため意識的にやらない行動」に関する質問を受けた。答えはこうだった。

「基本的には練習をやりたがるのが選手だと思うので、やれるうちはやってもいいと思いますし、春先なので大体の選手が調子が悪いというか、その感覚的にまだ100%の状態に持っていくのは難しい時期だと思うので、その中で休むのも勇気ですし、やらないのもまた練習な部分もあると思うので、どこをやってどこをやらないかっていうのはほんとに選手個々の判断によります」

大会開幕後、大谷は一変した。1次ラウンド初戦の台湾戦の第1打席で二塁打を放つと、次の打席では満塁ホームランを叩きこんだ。その後9日までに打率.556(9打数5安打)、2本塁打、6打点を記録し、日本の全勝を牽引した。これほどの活躍を見ると、練習試合で安打が出なかったのは「意識的な不振」だったと言っても不思議ではない。

米国の作家ジェニー・オデル(40)は、さらに一歩踏み込む。オデルは2019年に出版した著書『何もしない』で「何もしない時間があってこそ、維持と回復、ケアが可能になる」と書いた。休めばまたうまくできるからではない。休むこと自体が人間にとって本質的に必要だからだ。オデルは「何もしないとは、皮肉にも一種の行動計画だ」と述べている。

だから改めて、「休むこと」には勇気が必要だ。「休息が重要だ」ということを知らない人はいないが、いざ「休もう」と決心することは簡単ではない。また少なくない人が「上手に休む方法」も知らない。大谷のように「休む資格」を持つ人だけがうまく休めるというのが、私たちが生きる現実なのかもしれない。「成果」を証明できない人には、休息の時間にも不安が付きまとう。

人から「気楽な仕事」とよく言われるスポーツ記者の生活も、この逆説から自由ではない。大谷が休息の重要性を語った後、どんな活躍を見せたのかを伝えるため、家族と離れた遠い異国で週末も返上しノートパソコンを開かなければならない。子どもの誕生日を祝えなかったスポーツ記者は一人や二人ではない。その子どもたちが成長するにつれてスポーツを敬遠するようになったという話もよく聞く。

羽田空港でこの「光化門(クァンファムン)から」を書き終えた後、韓国が2次ラウンドを戦う米マイアミ行きの飛行機に乗る。エコノミー席に15時間以上閉じ込められる「強制的な休息」が待っている。こうしてでも「何もしない」ということを実践できるのだから、やはり気楽なスポーツ記者のぜいたくな愚痴なのだろうか。