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パイロットが正常なエンジンを停止させた可能性、済州航空機事故の調査委が発表

パイロットが正常なエンジンを停止させた可能性、済州航空機事故の調査委が発表

Posted July. 21, 2025 09:21,   

Updated July. 21, 2025 09:21


2024年12月29日の済州(チェジュ)航空旅客機事故の原因をめぐり、国土交通部(国土部)航空鉄道事故調査委員会(調査委)は、バードストライク後にパイロットが正常に作動していたエンジンを停止させた可能性に重きを置いているという。これに対し遺族らは「根拠資料なしに結論だけを提示している」と強く反発し、エンジンの精密調査結果の発表が中止されるなど混乱が生じた。

20日、国土部によると、調査委は19日午後3時、全羅南道(チョルラナムド)の務安(ムアン)国際空港でエンジン合同精密調査結果を発表する予定だった。調査委は現場で回収したエンジン2基を5月にフランスの製造会社CFMインターナショナルに送り、米国家運輸安全委員会(NTSB)とフランス事故調査当局が参加して調査を進めた。調査結果によっては航空会社や国土部など責任の所在が明らかになる可能性がある。

調査結果によると、エンジンに鳥類が衝突して損傷を受けた後も、左側のエンジンは飛行可能な出力を維持していたが、パイロットが緊急手順を実施する中でエンジンを停止させた可能性があるという。

ただし遺族側は「死んだ鳥とパイロットに責任を押し付けている」と反発し、具体的な調査結果は発表されなかった。12·29務安空港済州航空旅客機事故遺族協議会の代表であるキム・ユジンさんは、「様々な根拠を添えて遺族を納得させるべきなのに結論だけ示し、根拠資料は公開できないと言われた」とし、「世界的な専門家が共同調査した報告書を公開してほしいと求めたが、事故結果だけが通知された」と批判した。

遺族側は、調査委が消極的に情報を公開していると批判している。遺族によると、調査委は4月に管制塔とパイロットの間の交信内容の一部を公開した際も、調査委の委員長が内容を朗読した後、別途の解釈や質問などは受け付けなかった。

調査委側は国際規定に従って資料を公開しているという立場だ。国際民間航空機関(ICAO)は操縦室音声記録(CVR)を外部に公開することを禁止している。関係者は「遺族向けに10回以上の説明会を開催してきた」とし、「二重三重で事実確認した資料は国際規定に従って全面公開する」と説明した。

今回の混乱を受け、一部では無理な中間発表よりも信頼性を高める方法が必要だという指摘も出ている。カトリック関東大学航空運航学科のチョン・ユンシク教授は、「調査委は法的責任の判断ではなく、事故再発の防止に焦点を合わせて調査を進めるべきだ」と指摘した。調査委は来年4月に最終報告書案を作成し、6月中に最終結果報告書を発表する計画だ。


イ・チュクボク記者 務安=イ・ヒョンジュ記者 bless@donga.com