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顕在化する「AIディバイド」、三大国への道は遠い

顕在化する「AIディバイド」、三大国への道は遠い

Posted July. 17, 2025 08:35,   

Updated July. 17, 2025 08:35


チャットGPTなど人工知能(AI)サービスが普及するにつれ、AIを活用する個人間、企業間、国家間の格差が顕在化しつつある。AIサービスへのアクセシビリティが生産性の差につながり、ひいては所得格差につながる。インターネットが普及した2000年代初頭の「デジタルディバイド」とは異なり、「AIディバイド」は技術的なリテラシーの差に加え、有料サブスクリプションによるアクセシビリティの差も発生するため、その格差が極端に広がる恐れがある。

月額200ドルのチャットGPTプロは「博士レベルの助教」1人を雇うのと同等の生産性向上をもたらす。有料サブスクリプション費用を普通に支援できる大企業とそうでない中小企業の間の生産性格差は、今後さらに拡大していくことは必至だ。最近、東亜日報が実施したアンケートでは、会社員10人中8人が「会社の規模の差がAI活用能力に大きな影響を及ぼす」と回答した。AIの性能が高度化するほど利用料は上昇し、余裕のない企業や機関は淘汰の危機に直面する。

韓国知能情報社会情報院の統計によると、「AIサービスの経験がある」と回答した国民は51%に達したが、低所得層、障害者、高齢者など社会的弱者層の平均はこれより20%低かった。AI技術を持つ社員は、持たない社員に比べて平均1.56倍高い賃金を受け取っているという分析もある。社会経済的地位が低ければAI活用率が低下し、良質の仕事から追い出され、不平等が固定化してしまう。

昨年、韓国のAIに対する民間投資総額は1兆8000億ウォンで、米国や中国とは比べものにならない。国家間のAI格差が拡大すれば、企業や個人は不公平な条件で競争を強いられ、縮小したパイによりニ極化はさらに深刻化する。新政府は「AI三大国」を掲げている。大規模な投資とともに、その恩恵が均等に分配されるようにする政策が必要だ。小中高校でのAI授業を増やし、労働者の再教育も実施すべきだ。社会的脆弱へのAI教育も強化しなければならない。私たちには成功例もある。2000年代初頭、インターネット通信料を支援し、学生や軍人、主婦、高齢者に無償で情報化教育を実施し、IT大国の礎を築いた。AI「周辺国」から「中心国」への転換に向けた体制整備を急ぐべきだ。