
「バドミントン女王」安洗塋(アン・セヨン、23)は、昨年のパリ五輪女子シングルスで金メダルを獲得した直後に「遠慮なし」発言をした。代表選手の個人用具スポンサーを認めるなど代表チームの運営方式を見直すべきだという主張だった。
それから11カ月後、安洗塋の長年の願いが叶った。安洗塋は1日、自身のソーシャルメディア(SNS)に「ヨネックスと正式にスポンサー契約を結びました。今後も良いプレーで応えたい」と投稿した。
女子バドミントン世界ランキング1位の安洗塋は今回の契約で巨額の報酬を手にした。契約金の正確な金額は非公開だが、4年100億ウォン(約11億円)規模とされる。これは韓国のバドミントン界はもちろん、アマチュア種目全体でも過去最高額だ。
バドミントン関係者は「選手の個別契約金が公になると他選手の基準になってしまうので、非公開が原則」としつつも、「安洗塋は中国だけでなく、インドネシア、タイ、マレーシアなどバドミントンの人気が高い地域での宣伝効果が考慮され、高額契約となった」と話した。
大韓バドミントン協会が選手個人のスポンサーを認めてから、安洗塋には多くの企業からラブコールが寄せられた。その中で、世界最大手のヨネックスと契約を結んだのだ。日本のヨネックス本社が直接契約を取り仕切るほど力を入れた。
昨年、代表選手として個人用具の使用が制限されていたとき、ヨネックス製のシューズが合わないと訴えていた安洗塋。ヨネックス側は今回の契約後、「選手が不快感を訴えていたシューズについては、日本の本社と協議し、オーダーメイドで製作を進める予定だ」と説明した。ヨネックスはシューズ以外にも、パフォーマンスに大きく影響するラケットやサポーター類も提供する。
安洗塋はパリ五輪で金メダルを獲得した後も絶好調で、今年もすでに5大会で優勝している。その実力に比例する形で世界中に熱狂的なファン層を広げている。今年のマレーシア・オープン(スーパー1000)、インド・オープン(スーパー750)、オルレアン・マスターズ(スーパー300)、インドネシア・オープン(スーパー1000)で優勝した。さらに最高権威の全英オープンでも頂点に立ち、今シーズンだけで5度も優勝している。22日から始まる中国オープン(スーパー1000)では「スーパー1000全制覇」に挑む。6月末のBWFワールドツアー・シンガポールオープン(スーパー750)準々決勝で陳雨菲(チェン・ユーフェイ、中国)に0−2で敗れたのが、今年唯一の黒星だ。
バドミントン関係者は、「韓国国内のファンはあまり実感できないと思うが、中国や東南アジアの大会に出場すると、現地のファンは安洗塋を『神』のように崇め、熱狂している」と語り、「今のペースが続けば、4年後の次の契約ではさらに高額になるだろう」と見通した。
一方、選手個人のスポンサー契約が進む中で、協会へのヨネックスの支援は例年の半分程度に減額された。日本のヨネックス本社は2027年4月までの契約期間を維持する一方、契約金は当初の80%減とした。協会の関係者は「これまで通り、ジュニア代表などへの用具提供は続いている。代表選手へのラケットやシューズなど個人用具の提供は無くなったが、選手個々人が各社と契約している」と説明した。「ヨネックス・コリアが一部を補填しており、実質的な削減幅は50%程度。また、文化体育観光部や大韓体育会からの支援もあるので、代表チームの運営や国際大会出場への支障はない」という。
安洗塋のほか、徐承宰(ソ・スンジェ、28)、金元昊(キム・ウォノ、26)もヨネックスと契約を結んでいる。ペク・ハナ(25)とイ・ソヒ(31)は別の用具メーカーのビクターと契約を交わしている。
キム・ジョンフン記者 hun@donga.com






