
昨年12月3日の非常戒厳令をめぐり捜査を進めている特別検察官(特検)が2日、韓悳洙(ハン・ドクス)元首相と安徳根(アン・ドックン)産業通商資源部長官、劉相任(ユ・サンイム)科学技術情報通信部長官ら尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の国務委員を相次いで呼んで事情聴取を行った。5日には尹錫悦前大統領が特検に出頭して2回目の聴取を受ける予定で、特検は非常戒厳令発令を前後して開かれた国務会議をめぐる捜査を本格化させている。
2日、特検は韓氏をソウル瑞草(ソチョ)区にあるソウル高検に設置された特検捜査室に呼んだ。韓氏は検察庁に入る際、取材陣の質問に答えなかった。ビルの入口を見つけられず戸惑う様子もみられたが、特検の関係者が韓氏の腕を取って案内する場面もあった。
特検は、昨年12月3日を挟んで開かれた国務会議で、尹氏が国務委員に対して職権を乱用を行ったかどうか、また韓氏が関与した可能性について調べているという。特に、この日は、韓氏が非常戒厳令発令後にその宣言文を破棄したとの疑惑について調べたという。韓氏は当時、国務委員に配布された戒厳令発令文とは異なる文書に署名し、「後に、この文書の存在が明らかになれば大きな波紋を呼ぶ」として、カン・ウィグ前大統領室附属室長に廃棄を依頼したと言われている。これに先立ち、特検は1日にカン氏を呼んで取調べを行った。
特検はまた、非常戒厳令発令前の国務会議には出席していなかったとされる安氏と劉氏も2日に呼んで非常戒厳令前後に国務会議が開催された状況などを確認したとみられる。尹氏の聴取に先立ち、国務会議をめぐる違法行為の立証に向けて、韓氏や安氏、劉氏を同時に呼び出したのだ。
特検は6月28日に尹氏に対する初の聴取を行っており、5日に2回目の聴取を予定している。特検は、尹氏が国務会議で国務委員たちに違法な指示を出したとして、職権乱用の罪を適用することを検討しているという。今後、崔相穆(チェ・サンモク)前副首相兼企画財政部長官、朴性載(パク・ソンジェ)前法務部長官ら国務会議に出席した他の国務委員への追加の取り調べも予想される。
一方、特検は韓氏に対して出国禁止措置を取ったという。警察庁国家捜査本部の非常戒厳特別捜査団は5月、内乱容疑で韓氏に出国禁止を課していた。通常、捜査機関が事件を他機関から引き継いだ場合、既存の出国禁止対象者に対しても再び出国禁止措置を講じる手続きを踏む。
ク・ミンギ記者 koo@donga.com






