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再びマイクをつけたVOA、イラン向け放送を再開

再びマイクをつけたVOA、イラン向け放送を再開

Posted June. 17, 2025 09:16,   

Updated June. 17, 2025 09:16


ドナルド・トランプ米大統領が今年3月「非常に偏向的だ」と主張して、米連邦補助金の支給を廃止し、大半の放送を中断した公共放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が、約3ヵ月ぶりにイラン向け放送を再開した。13日、イスラエルがイランの核・軍事施設を奇襲攻撃し、対立が高まると、休職中だったペルシャ語(パールシー)放送の担当者を急きょ復帰させた。トランプ政権が重要な国際的な懸案が発生する度に、米国の立場を代弁したVOAの必要性を一歩遅れて認識したという評価が出ている。

米紙ワシントンポストとポリティコなどによると、米国の国際放送メディアを運営する米国グローバルメディア庁(USAGM)は最近、「VOAパールシー」の正社員75人全員に対し、「直ちに業務に復帰せよ」というメールを送った。ワシントンポストは、内部関係者の話として、75人のうち大半が業務に復帰し、イランにリアルタイムでの衛星放送も再び送出する計画だと伝えた。13日以降、VOAパールシーのホームページにはイスラエル・イランの対立をめぐる企画放送が上がってきている。VOAの記者はワシントンポストに対し、「VOAパールシーの最も大きな目的は、インターネットの検閲が行われるイランに米国の話を伝えることだ」とし、重大な事件が発生した時にイラン向け放送が再開されることは重要だと主張した。

これに先立って、トランプ大統領は3月15日、「連邦政府縮小」の一環としてUSAGMを構造調整する行政命令に署名した。トランプ氏は、1期目の政府の時から、VOAは「左派寄り」と批判してきた。これに伴い、1300人以上のVOA職員のほとんどが行政休職処理された。4月、連邦裁判所で行政命令は「違法」だと判断し、運営再開を命令後、イランやアフガニスタン(パシュトー語・ダリ語)・中国(マンダリン)放送要員の一部は復職したが、インターネット記事のみやっと掲載する水準だった。

USAGMの内外からは、トランプ政権が推進した構造調整の不合理さを示す措置だという批判も出ている。休職中の匿名のVOA職員はポリティコに対し、「トランプ政府は、解雇と再雇用を繰り返すために数百万ドルの税金を浪費した」とし、「彼らがどれほど愚かであるかを示している」と皮肉った。VOAのスティーブン・ハーマン首席記者は、ワシントンポストに対し歓迎するほどの措置だとしながらも、「敵対行為が落ち着きを見せれば、数週間後にVOAパールシーの職員は再び休職状態に戻るのか」と、トランプ政府の非一貫性を批判した。


キム・ユンジン記者 kyj@donga.com