主要７ヵ国首脳会議（Ｇ７サミット）が１５日（現地時間）、カナダ・カナナスキスで開幕した。トランプ米大統領がホワイトハウスに復帰して以来、初めて出席する多国間外交の舞台となる。イスラエルとイランの武力衝突により国際原油価格や為替が乱高下するなど、グローバルな複合危機の中で開かれるＧ７サミットは、世界的な関税戦争の分岐点になるとみられている。
相互関税の猶予終了が３週間後に迫る中、トランプ氏は、関税の強硬を予告した。今回の首脳会議が、「米国対Ｇ６（主要６ヵ国）」の対決構図に流れる可能性があるという懸念の中、李在明（イ・ジェミョン）大統領は、トランプ氏との初対面で、関税や在韓米軍の再調整など複雑に絡んだ問題を解きほぐさなければならない課題を抱えることになった。
トランプ氏は１５日、Ｇ７サミットに出席するためホワイトハウスを出発する際、「Ｇ７で貿易協定を発表する計画か」という質問に対し、「我々がすべきことは『これがあなた方が支払うべき金額だ』という書簡を送ることだけだ」と述べた。ただし、トランプ氏は、「いくつかの新しい貿易合意を達成できると思う」とも述べた。来月８日に措置が失効する予定の相互関税をそのまま課すと警告し、英国、カナダ、日本など米国と最終的な貿易交渉を行っている国々に圧力をかけたものとみられる。
これに先立ち、ホワイトハウスの高官はＧ７サミットの目的について、「トランプ大統領は、米国の貿易関係を公平かつ互恵的にすることを含め、さまざまな分野で進展を図りたいと考えている」と述べた。
一部では、トランプ氏が鉄鋼・アルミ関税などをめぐり、ドイツのメルケル元首相らと激しく衝突した２０１８年のＧ７サミットが再現されるのではないかとの懸念が出ている。米国の政治専門メディア「ポリティコ」は、「Ｇ７は忘れろ。これからはＧ６対トランプの対決だ」とし、「外交的奇跡が起きない限り、今回も共同声明は出せないだろう」と報じた。
Ｇ７サミットを通じて外交舞台にデビューする李氏は１６日、京畿道城南市（キョンギド・ソンナムシ）のソウル空港からカナダに向けて出国した。李氏は、トランプ氏らＧ７サミットに出席する主要国首脳たちと２国間会談を行う見通しだ。李氏とトランプ氏の会談では関税が核心議題になるとみられている。ただし、韓国政府関係者は、「実務協議を通じて関税交渉の妥結を加速させようという原論的な議論に集中するだろう」とし、「初対面で関税猶予期間の延長を要請するのは難しいと見ている」と述べた。
朴訓祥 tigermask@donga.com
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