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韓日首脳「歴史」には触れず「共生」を誓う、継承すべき「前政権の外交」

韓日首脳「歴史」には触れず「共生」を誓う、継承すべき「前政権の外交」

Posted June. 10, 2025 08:01,   

Updated June. 10, 2025 08:01


李在明(イ・ジェミョン)大統領は9日、石破茂首相との初の電話会談で、「今日の戦略的環境の中で韓日関係の重要性がより増している」とし、「相互の国益の観点から課題に共に対応し、共生できる方向を模索していくことを期待する」と述べた。石破首相も「両国が築いた基盤に基づき、韓日関係をさらに前に進めていきたい」と強調した。さらに両首脳は、韓米日協力の枠組みの中で、様々な地政学的危機への対応に向けて共通の努力を続けることで認識が一致したと、大統領室は伝えた。

李氏の就任5日目に行われた韓日首脳間の25分間の電話会談では、厄介な歴史問題は取り上げられなかった。実際、祝辞や感謝、未来の協力に関する言葉を交わすだけでも時間が足りなかっただろう。ただし、李氏は「より強固で成熟した韓日関係」を求める中で、歴史問題に対する日本側の前向きな姿勢を密かに期待するニュアンスを含んでいた。一方、石破氏は、「両国政府がこれまで築いてきた基盤」を強調し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代の緊密な協力の継続を望む雰囲気だった。

李氏は先の尹政権の対日政策に対して「屈辱外交」として誰よりも批判的だった。しかし、大統領選の過程では、「韓日関係にも実用的な視点が必要だ」とし、「協力すべきことは協力し、整理すべきことは整理する合理的な関係」の構築を掲げた。そして、一時「三田渡(サムジョンド)の屈辱に匹敵する外交史上最大の恥辱」と批判した元徴用工の「第三者弁済」解決策についても、「政策の一貫性が重要だ」と述べ、事実上維持する考えを示した。

むろん、新政権の対日基調において、前政権のような積極的な関係改善の意志を期待するのは容易ではない。李氏は歴史問題と未来志向の協力を分離する「ツートラック」アプローチを掲げながらも、「歴史問題は未来志向の関係を構築するために必ず解決すべき課題だ」と強調している。歴史問題が常に潜在する韓日関係において、未来協力事項との分離アプローチが可能かどうかは疑問だ。

これまで韓日関係の浮き沈みは、日本側の無責任と不誠実に原因があったが、政権が変わるたびに揺らいだ韓国側の政策基調にも問題があった。韓日関係は韓米同盟の延長線上にあり、韓米日3ヵ国の協力と直結する問題でもある。尹政権の大胆な対日政策の修正は、韓国国内の強い反発にもかかわらず、北朝鮮の核の脅威の高度化と世界的な陣営対立の激化の中で避けられない選択だった。たとえ弾劾された政権の政策であっても、継承すべきものは継承しなければならない。