
「社会にうまく適応できない『アウトサイダー』でも、その違いや個性によって世界を変えられるということを示したかった」
6日、世界で最も早く韓国で公開される実写映画『ヒックとドラゴン』のディーン・デュボア監督(54)は2日、韓国メディアとのオンライン記者会見でこう強調した。仲間とうまく馴染めず、父親にも認められないバイキングの少年「ヒック(メイソン・テムズ)」が世界を変える旅に出るアニメーション作品のように、実写映画も「アウトサイダー」の重要性を強調したという。
デュボア氏は、「ヒックは常に自分が不十分だと感じているが、むしろその思いが周囲を変える力になる」とし、「誰もが自分なりの方法でヒーローになれるというメッセージを伝えたかった」と語った。さらに「慣習や固定観念を振り返らせる物語」であり、「実写化することで、より成熟し、感情の深みが増した世界を描きたかった」と付け加えた。
アニメーション映画『ヒックとドラゴン』シリーズは2010年から19年までに計3作品が制作され、累積興行収入は16億ドル(約2200億円)に達する。韓国でも第1作229万人、第2作298万人、第3作216万人と、計743万人の観客を動員し、興行的成功と作品の評価を得た。
今回の実写版も、アニメ3部作をすべて監督したデュボア氏がメガホンを取っているので、原作ファンの期待も大きい。デュボア氏は、「アニメがもたらした驚きと感動をもう一度届けたい」とし、「多くの人に愛された物語、キャラクター、アクションがさらに進化した」と語った。
今回の実写版の最大の見どころは「飛行シーン」だ。アイスランド、スコットランド、フェロー諸島など、実際のロケ地で撮影された空や島、雲の映像をCGと組み合わせて完成させた。俳優たちは、高さ3メートルの「ドラゴンロボット」の上に実際に乗って演技した。
「アニメーションはシーンをコントロールできるが、実写映画はカメラが回り始めると、監督が予想しなかった方向に進むことがある。特に、実写映画では、俳優が撮影中に感じた感情が加わることで、映画がより広がりを持つようになった」
ヒックと共に映画の感情的な軸を担うドラゴン「トゥース」は、特有の可愛らしさを維持しつつ、より現実的な生き物として生まれ変わった。デュボア氏は、「トゥースは、私たちがペットとして飼う犬や猫をモチーフにデザインした」とし、「虎や豹の動きを参考にして、躍動感を持たせた」と語った。
子どもとドラゴンの友情を超えて、人間と自然、世代間の距離を縮める「共存」のメッセージは、この映画の核心的なメッセージだ。デュボア氏は、「私たちが当然のように受け入れてきた教えを再考し、他者の話に耳を傾けながら共に生きる方法を学ばなければならない」と述べた。では、実写版も3部作として続くのだろうか。
「とりあえず、続編はあります。脚本作業を始めたばかりで、(今年の)冬頃には制作を開始できるのではないかと思っています」
イ・ホジェ記者 hoho@donga.com