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選挙戦終盤に「虚偽情報」横行、選管のずさんな管理が陰謀論の種になる

選挙戦終盤に「虚偽情報」横行、選管のずさんな管理が陰謀論の種になる

Posted May. 31, 2025 09:53,   

Updated May. 31, 2025 09:53


中央選挙管理委員会のずさんな管理事例が今年も繰り返され、一部の有権者の逸脱行為が明らかになった中、6・3大統領選挙の期日前投票が30日に終了した。1日目の期日前投票では、過去最高値を記録した投票率は、2日目の30日午後に入ってから上昇速度が遅れ、3年前の大統領選挙の時にやや及ばない34.74%を記録した。

30日、京畿道金浦市(キョンギド・キムポシ)と富川(プチョン)市では、1年前の総選挙用投票用紙が1枚ずつ発見された。特定候補に記票されたもので、総選挙の時に集計から漏れたものなら、些細なことだと言えない管理失敗だ。29日は、ソウル新村(シンチョン)の投票所に、一気に集まった有権者たちが、投票用紙を手にしたまま食事までしてきた出来事が起きた。中央選管の事務総長は、「明白なミス」と謝罪したが、予想可能だった有権者の偏りに対処できなかったことは明らかだ。

29日、ソウル大峙洞(テチドン)では、投票事務員が夫の身分証を利用して、自分と夫の名前で2回投票したことが明らかになった。京畿道龍仁市水枝区(ヨンインシ・スジグ)では、特定候補を選んだ投票用紙が、管外期日前投票用の郵便封筒にすでに入っていたという通報が寄せられた。中央選管は、「選挙混乱を狙った自作自演と見られる」と釈明したが、選管の説明どおり第3者から投票用紙を受け取ったとすれば、それ自体で深刻な弱点をさらしたことになる。ソウル九老区(クログ)と慶尚南道河東(キョンサンナムド・ハドン)では、投票箱の監視目的だとして選管の建物への無断侵入を試みた事例もある。

このような状況下で、SNSなどでは虚偽情報などが横行している。期日前投票のずさんな管理を批判した与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)候補名義の談話文という文書がインターネットに登場したが、事実ではなかった。中国から帰化した女性は、特定候補に記票した投票用紙を中国のSNSに投稿し、ネット上で中国の介入を疑う議論が沸騰した。

今年の大統領選挙ほど完璧な選挙管理が切実に求められた例がない。大統領の罷免へとつながった非常戒厳の表面的理由の一つが不正選挙の是非だっただけに、正確な投開票管理で陰謀論を払拭する機会にしなければならない。

選管が、有権者の逸脱行為まで事前に遮断することはできないが、昨日や一昨日にあったミスだけはあってはならない。それが選管の存在理由だ。戒厳と弾劾を経験した私たちは、かろうじて民主主義を復元させている。選管は、予想可能なシナリオ点検を通じて、6月3日の本投票の際は混乱の可能性を防がなければならない。そうしてこそ、有権者の参加意志も守られるだろう。選管の管理ミスが、収まり始めた陰謀論に新しい種になり得ることを肝に銘じなければならない。