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「ファウンドリ2ナノ」のサバイバルゲーム、TSMCと三星電子が下半期に工程量産に突入

「ファウンドリ2ナノ」のサバイバルゲーム、TSMCと三星電子が下半期に工程量産に突入

Posted May. 26, 2025 09:09,   

Updated May. 26, 2025 09:09


グローバルファウンドリ(半導体受託生産)市場シェア1位の台湾TSMCと2位の三星(サムスン)電子が、下半期(7~12月)に2ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の工程量産を始めるものとみられる。三星電子は、これまで低迷していた先端工程の歩留まりの確保に生き残りをかける一方、最近、成熟工程でも意味のある受注を達成するなど、ファウンドリの収益性回復に拍車をかけている。

25日、半導体業界によると、TSMCは今年下半期、台湾の新竹サイエンスパークのファブ(半導体工場)と高雄ファブで、2ナノ工程の量産を開始する計画だ。2ナノ工程には、これに先立って、三星電子が3ナノ工程に導入したゲートオールアラウンド(GAA)技術を初めて採用する。アップルとNVIDIA、AMDなどの主要顧客企業が、TSMCの2ナノ工程基盤半導体を基に次世代製品の発売を控えている。

三星電子は今月公開した第1四半期(1-3月)の報告書で、下半期のモバイル向け2ナノ工程の量産計画を公開した。三星電子は、「下半期中に、モバイル用2ナノ半導体製品を量産し、新規出荷する予定だ」とし、「量産を成功させ、主要顧客から需要確保を推進している」と明らかにした。業界では、今回の2ナノ工程が来年初めに発売される新作フラッグシップスマートフォン「ギャラクシーS26」に搭載されるモバイルアプリケーションプロセッサー(AP)「エクシノス2600」に採用されると予測している。

現在、量産された半導体基準の最先端工程である3ナノ市場は、TSMCが収率安定化を先に達成し、主要顧客を独占している。市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、TSMCの3ナノ工程は、量産後、史上最短期間の5期ぶりに初めて、最近、稼働率100%に達した。カウンターポイントリサーチは、「TSMCの2ナノ工程は、量産後、4期ぶりに完全稼動率に達するだろう」と見込んだ。

三星電子は2022年6月、世界で初めて3ナノ工程の量産を発表したが、歩留まりの改善と大型顧客会社の誘致に困難を来たしてきた。関連業界は今年7月、米ニューヨークで公開される「ギャラクシーZフォールド・フリップ7」に、三星電子の3ナノ工程基盤「エクシノス2500」が初めて搭載されると予測している。

ただ、三星電子は、相対的に収率が安定した工程では顧客確保に乗り出している。19日(現地時間)、ブルームバーグ通信は、三星電子が来月発売される任天堂「スイッチ2」の8ナノ工程基盤のメイン半導体の供給契約を獲得したと報じた。従来のスイッチの半導体供給会社だったTSMCを抜いて得た成果だ。ブルームバーグは、「TSMCと競う三星の重要な勝利だ」と伝えた。

三星電子は、TSMCが米中葛藤の本格化後、中国市場で停滞している間、現地のファブレス(半導体設計)業者など、中国内のレガシー(旧型)工程顧客社の拡大に乗り出しているという。三星電子は、第1四半期の業績発表カンファレンスコール(電話会議)で、「米州顧客の強い需要に対応して生産を増やし、米中貿易葛藤のリスクヘッジ(危険回避)を並行して、業績改善を追求する」と明らかにした。


郭道英 now@donga.com