
米国のシンクタンクが、米国防総省が参加した中、2030年の中国の台湾侵攻で始まった戦争が韓半島に拡大するシナリオを想定した図上演習(Table-Top Exercise・TTX)を実施したことが分かった。演習シナリオには、在韓米軍が台湾の状況に関与する場合、中国が韓半島を攻撃すると警告する状況も想定された。最近、トランプ政権が中国を牽制するための在韓米軍の戦略的柔軟性拡大を示唆する状況で、両岸(中国と台湾)問題が韓半島の安全保障状況と密接に関連しているという米政権内外の脅威認識が再確認されたのだ。
米シンクタンクの大西洋評議会は、米国防総省傘下の国防脅威削減局(DTRA)の支援を受けて実施したTTX報告書「ガーディアン・タイガー」を12日(現地時間)に公開した。報告書によると、中国の台湾侵攻を想定した演習「ガーディアン・タイガーⅡ」は、中国が台湾を侵攻して米中間の通常戦争が勃発し、中国が中朝国境に兵器を配備して在日米軍基地を攻撃したことで戦火が拡大した。報告書は、中国と米連合軍の対立が深まり、中朝間の情報共有が行われ、「北朝鮮がはるかに強力な措置を取ることができるようになった」と分析した。
北朝鮮は在韓米軍の主要施設に短距離弾道ミサイル(SRBM)を発射し、米国の拡大抑止(「核の傘」)約束をテストするための核実験も行った。韓米連合軍の北朝鮮に対する反撃と中国の介入が混在し、中国航空機と韓米戦闘機間の交戦もシナリオに含まれたと、報告書は伝えた
シナリオ後半では、中国が台湾への支援を阻止する目的などで核兵器を使用した後、北朝鮮との同盟条約を発動して韓半島への軍事介入を正当化することで、北朝鮮内への中国軍の自由な配置を可能にする状況が作り出された。その後、北朝鮮も韓国空軍基地を狙った低威力の核攻撃を行った。
中国は、韓国が在韓米軍の介入を抑制しなければ在韓米軍基地を攻撃すると警告し、中国のこのような努力が奏功して、在韓米軍の台湾への介入と支援は、韓米間の合意に基づき制限されたと報告書は説明した。
大西洋評議会は、「演習の結果は、紛争が激化した場合、米国が意図せず北朝鮮と中国を同盟に誘導する可能性があることを示唆している」と強調した。また、報告書には、「北朝鮮の核攻撃は政権の終焉につながるだろう」という米国の既存の方針にもかかわらず、米国が追加の核交戦や2つの戦場への負担などから核攻撃の決定に苦慮する過程が記された。演習に参加した米政府当局者は報告書で、「私たちは、局地戦が核の脅威に拡大し、本土への脅威が増大する地域戦争へと拡大する可能性に備えなければならない」と指摘した。
報告書は、「北朝鮮と中国との同時紛争の脅威が非常に高いということを反映させて、インド太平洋地域の指揮統制体系を再編しなければならない」とし、韓米日対話などの議題にも、台湾侵攻に伴う韓半島への戦線拡大シナリオを定期的に含めるべきだと提言した。
申圭鎭 newjin@donga.com