
生後11カ月の一人息子を置いて、韓国戦争で戦死した国軍勇士が、75年ぶりに家族のもとに帰ってきた。国防部遺骨発掘鑑識団(国遺団)は9日、カン・ソンスン下士(今の階級では上等兵)の護国英雄帰還式を遺族の自宅で行ったと発表した。
京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)出身の故人は、1949年7月、生まれたばかりの息子を置いて入隊した。以後、国軍第7師団に服務中だったが、韓国戦争勃発当日に起きた「雲川抱川(ウンチョン・ポチョン)、議政府(ウィジョンブ)の戦い」で北朝鮮軍と戦って壮烈に散華した。
故人の遺骨は2007年6月6日、顕忠日(殉国者と戦没将兵を追悼する記念日)に京畿道抱川市新北面(シンブクミョン)一帯で収拾されたが、家族を探すまでに長い時間がかかった。故人の一人息子であるカン・ギナムさん(75)と孫のカン・ボムジュンさん(50)は、それぞれ2008年と2017年に遺伝子(DNA)試料を軍に提出したが、当時の解析技術では故人との親族関係を確認することができなかったからだ。その後、関連技術が発展し、再解析を経て、今年3月に息子のギナムさんとの父子関係が最終的に確認されたという。
ギナムさんは、「父が北朝鮮軍に捕虜として連れて行かれたと思いながら、いつかは生きて帰ってくると信じていたが、70歳を過ぎてからはあきらめて過ごした」とし、「遅ればせながら帰ってきた父を顕忠院に祀りたい」と語った。
尹相虎 ysh1005@donga.com