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現代自動車とポスコが「鉄の同盟」、「米製鉄所への共同投資で関税障壁を突破」

現代自動車とポスコが「鉄の同盟」、「米製鉄所への共同投資で関税障壁を突破」

Posted April. 22, 2025 08:27,   

Updated April. 22, 2025 08:27


トランプ米政府の関税政策の波高を乗り越えるため、現代(ヒョンデ)自動車グループとポスコグループが、米ルイジアナ州の電気炉製鉄所への共同投資を公式化した。両社は、米政府の通商圧迫と鉄鋼業界を巡る環境規制などに共同で対応し、電気自動車バッテリー用素材のサプライチェーンまで協力することにした。ポスコグループは、米国での販売ネットワークの拡大、現代自動車グループは、米国製鉄所建設のための投資財源を調達するため、競争関係である二社の利害が合致したという評価が出ている。

●ルイジアナ製鉄所への共同投資を公式化

現代自動車グループとポスコグループは21日、ソウル江南区(カンナムグ)の現代自動車江南大路の社屋で、「現代自動車グループとポスコグループとの間で、鉄鋼や蓄電池の素材分野など包括的事業協力のための覚書(MOU)」を交わした。今回の協約締結で、現代自動車グループは、モビリティのコア原材料の安定的供給を通じてグローバル主要市場と未来の新事業の競争力を強化し、ポスコグループは北米鉄鋼市場への進出に向けた足がかりを作るという目標だ。特に両社は、高品質・高純度自動車用鋼板と蓄電池素材のサプライチェーンを共に構築するという計画も立てた。

今回の協約の柱は、米ルイジアナ州の電気炉製鉄所の建設のための共同投資だ。現代車グループは2029年、商業生産を目標にルイジアナ州に年間生産量が270万トン規模の電気炉製鉄所を建設することにした。総投資規模は58億ドル(約8兆2000億ウォン)だ。全体投資金の半分を外部から調達しなければならない現代製鉄の立場からは、ポスコグループは心強い味方と言える。

ポスコグループの立場から見ても、今回の共同投資で米政府の25%の鉄鋼関税を避け、米国とメキシコ地域に自動車用鋼板などの主要素材を供給できるようになる。ポスコは現在、メキシコの自動車鋼板工場をはじめ、北米地域に鉄鋼加工センターを運営している。ポスコグループの関係者は、「ルイジアナ製鉄所の生産量の一部は、ポスコが直接販売することになると予想される」とし、「ポスコは、電気炉を通じた高純度自動車用鋼板の生産施設をすでに光陽(クァンヤン)に建設しており、この部分が両社の協力に役立つだろう」と述べた。

蓄電池素材のサプライチェーンの共同構築も、今回の協力の主な内容だ。現代自動車グループは、電気自動車バッテリーの主要素材であるリチウムと陽・陰極材をポスコから安定的に確保することにした。ポスコグループも同様に、電気自動車のキャズム(一時的需要鈍化)による市場萎縮を克服し、主要販売先を確保することになる。ポスコホールディングスのイ・ジュテ未来戦略本部長は、「両社のシナジーを基に、グローバル通商圧迫とパラダイムの変化に対応する」とし、「鉄鋼と蓄電池素材分野での協力で、両社は持続的な成長ができると期待している」と話した。

●米関税への対応と鉄鋼不況の波を乗り越える

鉄鋼業界の競争関係である両社の協力について、専門家たちは海外でもなかなか見られない異例の結果だと評する。これまで企業間協力は、競争企業の素材を一部購入したり、さらには競争企業を買収・合併する形で市場支配力を拡大することがほとんどだった。実際、現代自動車グループは、LGエネルギーソリューションやSKオンと共にバッテリーサプライチェーンを構築したりもしたが、これは他の事業領域間のサプライチェーンの協力事例だ。中国の鉄鋼過剰供給や世界主要国の環境規制、米国の通商政策まで国内外の不確実な変数が結局、両社の協力を導いたという評価も出ている。

ただ、両社の協力は、MOU段階で終わるのではなく、長期的な目で一定程度の拘束力を備える必要があるという指摘も出ている。意思決定の過程で、一方に利益や損害が集中する状況が発生した場合、協約が撤回される可能性があるという。韓国貿易協会のチャン・サンシク国際貿易通商研究院長は、「米国の通商問題への対応のための協力を越え、国内鉄鋼市場が直面しているグローバル環境規制や中国の供給過剰問題などを、長期的な目で克服できる協力へと発展させなければならない」とアドバイスした。


キム・ヒョンミン記者 kalssam35@donga.com