
裁判所は、内乱首謀の疑いを受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領に対し、初公判に続き21日の公判も、地下駐車場を通じた非公開出廷を許可した。公開出廷した元大統領とは異なり、裁判所が尹氏にのみ相次いで非公開出廷を許可したことで、特恵論議が起こっている。
ソウル高裁は18日、「大統領室警護処の要請事項とソウル西部地裁の事態などによる庁舎防護の必要性などを踏まえて決定した」と明らかにした。裁判所関係者は、「尹氏側が車両で地下駐車場を通じて出入りすることを要請した場合、これを許可する予定」とし、「現在、裁判所周辺の集会届け出の状況、社会的関心度などを考慮すると、地下駐車場の出入りを維持することが庁舎防護のために必要だと判断した」と説明した。
裁判所によると、庁舎を使用する各級裁判所の事務局長らが議論した案を基に、金大雄(キム・デウン)ソウル高裁長官が決定したという。ソウル高裁は瑞草区(ソチョク)ソウル裁判所総合庁舎の防護を担当している。裁判所の決定には、独自のセキュリティ管理人員や検察に対する身辺保護措置なども考慮されたという。裁判所は同日午後8時から21日午後12時まで、一般車両の庁舎内への出入りを全面禁止することを決めた。一部の出入口も閉鎖し、出入りの際のセキュリティ検査も強化する予定だ。
法曹界では、特恵をめぐる議論が続いた。勾留されていない状態で刑事裁判を受けていた元大統領が、地下駐車場から出廷した前例がないためだ。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領は2017年、憲法裁判所の罷免決定後、令状実質審査を受けるために裁判所の正門から出入りした。李明博(イ・ミョンバク)元大統領も19年、保釈後に地上の出入口から出廷した。裁判所関係者は、「今回の決定は21日の公判に限るものであり、今後変更の可能性がある」とし、「庁舎周辺の状況などを綿密にモニタリングしながら、当該措置を維持するかどうかについて検討する予定だ」と述べた。
ただし、尹氏が被告人席に座る姿は公開される予定だ。尹氏の事件を審理するソウル中央地裁刑事合議25部(池貴然部長判事)が、初公判とは異なり、取材陣の法廷撮影を許可したためだ。撮影はビデオと写真の両方が許可されるが、公判が始まる直前に指定された場所でのみ可能だ。大法院(最高裁)規則によると、公共の利益のために相当と認められる場合、被告人の同意がなくても撮影を許可することができる。
許桐準 hungry@donga.com