今や韓国で生まれた瞬間、2300万ウォンの国の借金を背負うことになる。先週、政府が発表した国家債務を住民登録人口で割ると、国民1人が返済しなければならない国の借金が出るが、昨年末基準で2300万ウォンだった。10年で2倍以上に膨らんだ。国家債務は、中央政府と地方自治体が直接的に返済義務を負っている借金だ。つまるところ、子どもたちがずっと返済していかなければならない借金だが、2020年から急激に増えている。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の「放漫な財政運営」を問題視した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も、国家債務の増加速度を鈍らせることはできなかった。尹政権で国家債務は204兆ウォン増えた。文政権時代に増えた国家債務よりは少ないが、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)政権時代よりは多い。さらに、尹政権の3年間の国家債務増加額は、李政権の5年間、朴政権の4年間よりも多い。22年の1年間に増加した国家債務は、その年の予算を組んだ文政権の責任も一部あるが、5月から国の財政を担ってきたのは尹政権だ。
尹政権は一貫して財政健全化を主張したが、結局は口先だけだった。それを端的に示しているのが「財政準則」だ。財政赤字幅を国内総生産(GDP)の3%以内に抑えることが核心である財政準則は、尹政権の国政課題の一つだった。尹大統領(当時)は、「放漫な支出で堪え難い苦痛を未来世代に押し付けるのは、未来世代に対する搾取だ」とし、国会に財政準則法制化法案の処理を要求した。しかし、尹政権発足後、財政準則が守られたことは一度もない。
国の借金管理のために政府の支出を減らすことは、今年も容易ではない。厳しい内需を活性化させるには、政府の12兆ウォン規模の追加更正予算が必要だ。また、予定になかった大統領選挙を行うのにも国家予算が必要になる。選挙が終わった後には、公約を現実化するために本格的に国費を投入しなければならない。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表は、人工知能(AI)学習と演算に必須なグラフィック処理装置(GPU)を少なくとも5万個以上確保すると発言した。最新型のGPU5万個を購入して運営するには3兆5千億ウォン以上かかると推定される。与党「国民の力」は、2月から小規模事業者に対する現金性支援政策を相次いで打ち出している。
必要なところに国費を投入することにとやかく言う人はいない。しかし、長期的な計画もなくとりあえず使ってみようという行動が繰り返されるのは問題だ。3年前の大統領選挙の時、政界では票を得るためのポピュリズム政策が溢れ出た。その中で、与野党すべてが約束した「兵士の月給200万ウォン」は、予算にそのまま反映された。若者たちには喜ばしいことだったが、初級軍幹部の待遇改善、先端兵器導入などに使う予算が減り、財源配分を歪めるという指摘が続出した。
今後40日以上続く大統領選レースでは、数多くの公約が発表されるだろう。票を獲得するための政界のポピュリズム競争が前回の大統領選の時と同じように行われてはならない。何よりも、国の財政は3年前よりも悪化した。「弾丸」である税収まで2年連続で穴が開き、今年も逼迫している。候補たちは国家債務をどのように管理していくのか、ビジョンと実行計画を共に提示しなければならない。国の借金の絶対的な規模を減らせなくても、増加速度だけでも遅らせる必要がある。国の借金の重さを軽く見る政治に未来はない。
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