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また始まった映画クーポン大盤振る舞い 祭りの後に残る請求書

また始まった映画クーポン大盤振る舞い 祭りの後に残る請求書

Posted May. 14, 2026 09:11,   

Updated May. 14, 2026 09:13


政府が昨年に続き、再び映画クーポンを配布する。13日から追加補正予算271億ウォンを投じ、1枚当たり6000ウォンの映画割引券450万枚を先着順で配布する。今月に225万枚を配り、残る半分は繁忙期の7月に追加配布する。

コロナ禍以降、危機に陥った映画館業界を支援するため、小規模割引や間接支援方式の政策は継続的に行われてきた。しかし昨年からは、政府レベルの映画産業活性化策として大規模予算が投入され、騒々しい年中行事の様相を呈している。

同規模で実施された昨年は、映画クーポンを受け取ろうとする利用者が映画館サイトやアプリに殺到し、一時アクセス障害が発生した。映画チケット価格が1万4000~1万5000ウォンであることを考えれば、半額で映画を見られる機会だけに大きな関心を集めた。短期的には観客数と売上が増加し、映画館業界が一時的な回復傾向を見せたこともある。

問題はその後だ。果たしてクーポン祭りが終わった後も、観客は映画館に残ったのだろうか。2025年韓国映画産業決算によると、映画館全体の売上高は1兆470億ウォンで、前年比12.4%(1475億ウォン)減少した。観客数も1億609万人と、前年比13.8%(1704万人)減った。270億ウォンを超える政府予算をクーポン支給に投じたにもかかわらず、映画産業の下降傾向を止めることはできなかった。クーポンばらまきが映画館業界への短期的輸血措置にはなり得ても、映画産業そのものの根本的回復には大きな助けにならなかったという意味だ。

パンデミック後の映画産業の危機は、単なる価格問題ではない。OTT(オンライン動画配信)に慣れた消費形態、短くなったコンテンツ消費時間、韓国映画の不振などが複雑に絡み合っている。こうした状況で、クーポン配布のような短期処方ばかりに頼れば、平時に定価で鑑賞することへの抵抗感だけがかえって強まる恐れもある。観客はクーポン配布に合わせて予定していた鑑賞を前倒ししたり、一時的に利用したりするだけで、映画全体の消費を増やしてはいない。

映画産業の低迷は世界的現象であり、多くの国がさまざまな支援策を講じている。しかし、韓国のように大規模クーポンで映画館需要を人為的に押し上げる例は珍しい。政府が繰り返しクーポン配布を選ぶ理由は、短期的な成果や消費喚起効果への期待があるためだろう。しかし、短期間の一時的効果の裏で、映画界の慢性的問題は深刻化し続けている。

映画産業を立て直す解決策は、「どれだけ安く見せるか」ではなく、「なぜわざわざ映画館へ行って見るべきなのか」という答えを作ることにある。クーポンで客席を一時的に埋めることはできても、観客の習慣や市場構造までは変えられない。観客を再び映画館へ呼び戻すには、映画そのものの競争力と鑑賞文化を回復させることが先だ。競争力あるコンテンツ制作や創作者育成などに予算を集中すべきだ。