今年1月に生まれた子どもの数は2万3947人で、昨年1月より11.6%増加した。1月に出生数が増加したのは2015年以来10年ぶりのことだ。昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標)が0.75人と9年ぶりに反転上昇したことに続き、出生率の上昇が当面続くという期待感も高まっている。
昨年6月に「人口非常事態」まで宣言し、出生率の反転に総力を挙げてきた政府も歓迎する様子だ。人口危機を扱う政府省庁では、「出生率の反転上昇など、歴史に残る成果を上げた」と自評する声も出ている。
政府の努力を否定する必要はない。しかし、まだ喜ぶのは早い。多くの専門家が、出生率反転上昇の背景に人口効果とパンデミックの効果があると分析している。出生数の多かったエコブーム世代(1991~96年生まれ)が結婚・出産適齢期に入り、コロナ禍の影響で減少していた婚姻が増加したことで、出生数の増加につながったということだ。
このような効果がなくなれば、出生率はいつでも再び落ち込む可能性がある。自然増加効果だけに頼らず、過去10年近く続いた「出産スト」の背景をきちんと検証する必要がある。
時間を10数年前に戻してみよう。合計特殊出生率は16年(1.17人)から減少した。若い世代に結婚と出産に対する否定的な認識が広がった時期だ。当時、「2030世代」の間では政府への不信感と、各自で生きていかなければならないという不安が蔓延していた。14年のセウォル号沈没事故は「国家は国民の安全を保障しない」という不信を増幅させた。韓国を地獄に例えた「ヘル朝鮮」という言葉が流行した。努力しても何も変わらないという若年層の挫折感は、親の経済力によって自分の身を「金のさじ」と「土のさじ」などに分ける「さじ階級論」として現れた。
その後も状況は改善されなかった。不動産政策の失敗による住宅価格の高騰で、若者世代の喪失感はさらに大きくなった。結局、彼らの選択は結婚の代わりに非婚、出産の代わりに「DINKs(共働きで子どもを持たないライフスタイル)」に急速に傾いた。その間に合計特殊出生率は15年の1.24人から19年の0.92人まで落ち込んだ。超少子化を固定化させた「失われた5年」とも言える。キム・ヨンミ元低出産高齢社会委員会副委員長は、「国全体が若者に『子どもを産むな』というシグナルを送った」とし、「韓国の出生率低下要因の分析において最も重要な時期」と述べた。
今、若年層が感じている不安と挫折も大きく変わらない。見出しを見ただけで気が滅入る政治ニュースに隠れて注目されていないが、仕事や求職活動をしていない15~29歳の若年人口は先月、過去初めて50万人を超えた。昨年の「私教育」の費用は過去最大の29兆ウォン台に急増した。国民を二分する分裂の政治、結婚・出産を躊躇させる経済的・社会的指標は、若年層に「子どもを産むな」というシグナルを送っている。
出生率を引き上げたパンデミックの効果はもはや「終盤」であり、人口効果はエコブーム世代が平均出産年齢(33.6歳)にとどまる今後4~5年が最後だ。政府が少子化克服の「ゴールデンタイム」と見なす時期だ。政府が資源を投入し制度を改善するのと同じくらい重要なのが、若者の不安を和らげることだ。さもなければ「失われた〇年」を繰り返すことになる。
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