豪州のマールズ副首相兼国防相は先月7日(現地時間)、米ワシントンでヘグセス米国防長官と会談した。豪州は2021年9月、米国、英国と安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を締結し、米国の原子力潜水艦を最大5隻購入することを決めた。マールズ氏は、これに伴い米国に支払うこととなった30億ドル(約4兆5千億円)のうち5億ドル(約7500億円)を今回の訪問で支払った。
AUKUSが締結された時、米国と豪州の首脳はバイデン前大統領、モリソン前首相だった。現在、米国はトランプ大統領、豪州はアルバニージー首相だが、政権交代にもかかわらず、両国の軍事協力は揺るぎない。中国を牽制するという共通の目標が確固だからだ。
第2次世界大戦の終戦後80年間維持されてきた米国と西欧の「大西洋同盟」が、トランプ氏の再選とウクライナ戦争を機に、一種の解体手続きを踏んでいる。トランプ氏はウクライナ戦争の終戦交渉過程で、西欧の長年の敵国であるロシアと密着し、政権1期目よりも強く国防費の増額を欧州に要求している。
欧州もまた、「安保自強」を唱え、米国と距離を置いている。双方は、第2次世界大戦ではナチス・ドイツの全体主義、終戦後は旧ソ連の共産主義を共に打ち破ったという自負心で強く団結した。しかし、「金」と「力」の論理の前で、強固だった同盟は歴史の中に消え去る危機にある。
この影響は、インド太平洋にも及んでいる。米国が欧州から手を引く理由は、中国との覇権競争に集中するためだ。中国もまた、このような米国に対抗すると言って一歩も引かない。域内主要国も軍事力強化に力を入れている。
まず、米国、豪州に劣らず中国牽制に注力する日本は、AUKUSへの参加を狙っている。日本は、昨年10月に豪州で実施されたAUKUS3ヵ国の海上訓練にオブザーバーとして参加した。麻生太郎元首相は、「AUKUSに『日本(JAPAN)』を加えて『JAUKUS(ジョーカス)』にしよう」と提案した。
台湾も18日、国内総生産(GDP)比2.5%水準の国防予算を3%に増やすと明らかにした。今夏の年次軍事演習「漢光」では、中国が2027年に侵攻すると仮定して備える計画だ。中国時報など台湾メディアによると、台湾が「2027年」という具体的な時期を明記して中国の軍事的脅威に備えるのは初めて。
南シナ海で中国と対立しているフィリピンも、米国、日本との軍事協力を強化している。3ヵ国の首脳は昨年4月、米ワシントンで初めて対面会談を行い、今年の1月にもオンラインで会談を行った。
これに対し、中国も5日、今年の国防予算を前年比7.2%増の1兆7800億元(約356兆5千億円)と発表した。習近平国家主席の就任初年度の13年の7200億元(約144兆2千億円)から2倍以上の増加だ。
インド太平洋主要国のこうした動きを見ると、リーダーシップの空白に陥っている韓国の状況がますます懸念される。「各自図生(各々生きる道を図る)」と軍備増強が「ニューノーマル」となった時代。韓国の安全保障はあてもなく漂流している。
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