「侵入ではなく進入」「不法に対する国民抵抗権の行使」「検察の小説」。ソウル西部地裁の乱入容疑で起訴された一部のデモ隊の10日の初公判での主張だ。被告人は自身に有利な陳述をするものだが、法治の砦である裁判所襲撃という前代未聞の重大犯罪に及び、これを正当化するために法廷で繰り広げられる詭弁には首をかしげざるを得ない。
西部地裁乱入事件は、今年1月19日未明、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状発付に反発したデモ隊が裁判所庁舎に侵入して暴れた事件だ。しかし、一部の被告人側は、「裁判所の裏門が開いていた。侵入したのではなく境内に入っただけだ」と主張した。デモ隊が裁判所の塀を越え、外壁とガラス窓を壊す場面がユーチューブで生中継されたにもかかわらず、侵入ではないと言って誰が信じるだろうか。当時、高位公職者犯罪捜査処(高捜処)の車を阻止したことについては、「高捜処の大統領逮捕が違法なので公務執行妨害ではない」と述べた。論理に合わない強引な主張であるだけでなく、高捜処の逮捕が違法だと裁判所が判断した事実自体がない。
当時、デモ隊は裁判所の建物に乱入する過程で警察と取材陣に暴力を振るい、令状を発付した裁判官の事務所まで探し回った。被告人側は、「憲法上の国民抵抗権を行使した」と主張しているが、国民抵抗権とは不当な公権力に抵抗する他の方法がない場合に使う最後の手段だ。尹大統領の逮捕に対しては異議を申し立てる合法的な手続きがいくらでもあるが、それを無視して振るった暴力を抵抗権の行使としてどのように正当化できるだろうか。
彼らが反省はおろか、詭弁を弄するのは、頼れるところがあるからだろう。西部地裁の暴力事件後、与党の最高委員を務めた政治家は「アスファルト十字軍の戦士たちに敬意を表する」と述べた。元国防長官は「愛国戦士たちが一日も早く解放されることを願う」と述べ、西部地裁の乱入者たちに保釈金を送った。国民抵抗権を云々して暴力を扇動し、法治主義と民主主義を侵害した暴力デモ隊を「愛国市民」と支持することで、憲法裁判所の弾劾宣告を控え、第2の西部地裁事態が再現されないか懸念するという情けない状況となった。
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