
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の釈放をめぐり、最大野党「共に民主党」と沈雨廷(シム・ウジョン)検事総長が10日、真っ向から衝突した。沈氏が辞任要求を一蹴すると、同党は早ければ今週中に弾劾訴追案を提出する考えを明らかにした。国会が沈氏に対する弾劾訴追案を議決すれば、尹政権で30人目の弾劾となる。
沈氏は出勤途中に記者団に対し、裁判所の尹大統領の拘束取り消しに対して即時抗告しなかったことについて、「捜査チームや大検察庁(最高検察庁)部長会議など様々な意見を総合して、適法手続きの原則に則って所信に従って決定した」とし、「適法手続きの原則による決定であり、辞任または弾劾事由になると考えていない」と述べた。同党の弾劾警告に対しては、「国会の権限なので、今後手続きが進めばそれに応じて対応する」と付け加えた。
沈氏の反発に対して同党は、「尹大統領に特恵を与えた」と強く批判し、弾劾を推進することを決めた。李在明(イ・ジェミョン)代表は同日午前、党最高委員会で、「この国の秩序維持の最後の砦であるはずの検察が、奇怪な手口で内乱の首謀者を釈放した」とし、「検察がなぜ尹大統領に対してだけこんなに寛大なのか分からない。おそらく一味だからだろう」と述べた。朴賛大(パク・チャンデ)院内代表も同日午後、非常議員総会で「内乱の首謀者を釈放し、証拠隠滅と逃亡を助けた責任者が自分は何も間違っていないと弁明した。告発措置にとどまらず責任を問う」と主張し、再び弾劾の可能性を開いた。同党をはじめとする野党5党は同日、沈氏を職権乱用の疑いで高位公職者犯罪捜査処に告発した。
同党執行部は沈氏の弾劾訴追の時期を明らかにしなかったが、党内では沈氏が辞任を拒否したため、次の段階である弾劾カードを使うしかないという強硬論が浮上している。
同党院内執行部関係者は、「13日に予定されている本会議に弾劾案を提出する可能性もある」と話した。国会本会議に弾劾訴追案が報告されると、24~72時間以内に本会議で議決しなければならず、在籍過半数の151人の同意があれば可決される。沈氏に対する弾劾訴追案が推進される場合、2001年以来24年ぶりだ。
与党「国民の力」は「共に民主党」に対し、「弾劾中毒と腹いせの報復」と批判した。「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は同日、党の非常対策委員会会議で、「民主党は、検事総長が即時抗告という違憲行為をしなかったという理由で弾劾しようとしている」とし、「(沈氏は)弾劾脅迫に屈せず、堂々と名誉を守ってほしい」と述べた。
イ・ジウン記者 ホ・ドンジュン記者 easy@donga.com