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「1000億ドル投資」を先に発表したTSMC、韓国企業の対米投資にジレンマ

「1000億ドル投資」を先に発表したTSMC、韓国企業の対米投資にジレンマ

Posted March. 05, 2025 08:38,   

Updated March. 05, 2025 08:38


トランプ米大統領は、中国輸入品に対し20%追加関税を課す行政命令に署名した。1カ月間遅らせたカナダ・メキシコに対する25%の関税も、昨日から課し始めている。同日、世界最大の半導体ファウンドリ企業である台湾TSMCは、1000億ドルの対米投資を約束し、トランプ氏から歓迎を受けた。一方、政策コントロールタワーの不在や半導体景気の悪化、米政府補助金縮小可能性の3重の悪材料に見舞われている韓国の半導体企業は、対米投資決定をめぐって進退の悩みに陥っている。

トランプ氏が先月4日から課していた10%の追加関税に10%を加えたことで、中国産製品の対米輸出は深刻な打撃を受けることになった。韓国の半導体や機械などの中国向け中間財や部品輸出も、萎縮する可能性が高い。カナダ・メキシコ産製品に対する例外のない関税で、両国に進出している200社余りの韓国企業の現地法人も、相当な衝撃を受けるだろう。

関税爆弾が交渉カードや脅しに止まらないということが明らかになると、各国政府や企業の対応は早くなっている。台湾のTSMCは、4年間で146兆ウォンを米国に新規投資し、工場5ヵ所をさらに建設すると発表した。トランプ氏は、「関税を払わなくなったTSMCは、ゲームではるかにリードすることになった」と褒め称えた。日本は、日米首脳会談を通じて8000億ドルの対米累積投資額を1兆ドルにまで増やすと約束し、日本産鉄鋼・自動車の関税例外を図っている。

韓国企業は困惑している状況だ。米エヌビディアの人工知能(AI)チップを委託生産し、昨年50兆ウォン以上の史上最大利益を上げたTSMCは、投資余力が溢れている。一方、韓国産メモリ半導体は、中国産汎用半導体のダンピングで価格が下がり、16ヵ月ぶりに輸出が減少し、利益も減っている。バイデン政府の「チップス法」により、三星(サムスン)電子やSKハイニックスが約束された補助金の支援可否まで不透明となっている。このような状況で対米投資を増やすには高い現地生産費用が負担になり、投資を先送りするには米国企業が先に投資して関税負担を減らした海外のライバル企業に市場を譲ることになる。

韓国企業は、米政府の投資圧迫に孤独に対応しているにもかかわらず、戒厳・弾劾事態で混乱に陥った政府は、対米交渉パッケージの全体枠組みさえ決められずにいる。決定的な時間をこのように浪費しては、鋤で防ぐことを鋤でも防ぐことができない「関税災難」を避けられなくなる。