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韓国「進歩対保守」の対立が最も深刻、その分裂に乗った政界

韓国「進歩対保守」の対立が最も深刻、その分裂に乗った政界

Posted March. 04, 2025 08:47,   

Updated March. 04, 2025 08:47

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昨年、韓国国民が体感した社会葛藤が2018年の調査開始以来、最も高かったことが分かった。その中で最も深刻だと答えた葛藤は「進歩と保守」の対立だった。地域や貧富の葛藤よりも理念葛藤が韓国社会の統合を阻害しているということだ。これは、韓国保健社会研究院が昨年6~9月、成人男女3千人を対象に実施した「社会統合実態調査」で明らかになった結果だ。

韓国の社会葛藤の平均数値は上下を繰り返していたが、2023年(4点満点中2.93点)、24年(3.04点)と2年連続で上昇した。最も深刻な葛藤は進歩と保守間の葛藤(3.52点)で、首都圏と地域間の葛藤(3.06点)、正規と非正規間の葛藤(3.01点)、労使間の葛藤(2.97点)を大きく上回った。ますます深まる理念葛藤は、「節制と妥協」が求められる民主主義が軌道を外れる兆候だったのだ。

今回の調査は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の昨年12月3日の「非常戒厳」宣布前に行われた。理念葛藤が深まる中、政界は極端な対立を続け、葛藤を調整して国政を行う責任がある大統領は、「反国家勢力」を口にし、戒厳事態を招いた。その後、3ヵ月ほど続いている弾劾政局でも、韓国社会は極端な国論分裂を経験している。同じ調査を今実施すれば、理念葛藤の数値はさらに高くなるだろう。

にもかかわらず、政界は与野党を問わず、国論分裂に乗じて自党の陣営を結集し、勢力拡大に躍起になっている。3・1節にソウル都心で開かれた大統領弾劾の賛成・反対集会で、与野党議員は先頭に立って相手陣営に対する暴言と嫌悪発言を浴びせた。憲法裁判所を中傷し、民主主義を支えた制度を信じないよう扇動した。今や大学のキャンパスまで弾劾賛否の集会で混乱している。

理念葛藤がいたるところに浸透すると、常識的な中道層は声を上げられず、社会葛藤は増幅される。このような極端な分裂が続けば、弾劾審判後に戒厳による傷を癒し、社会統合を成し遂げることができるのか懸念される。急変する国際情勢の中で迎えた国家的危機は、固く結束しても乗り越えることは容易ではない。理念葛藤と社会分裂を助長し、韓国社会の未来を危うくする政界は目覚めなければならない。