
1杯のコーヒーの魅力を楽しむ韓国人は、茶も大変好む。特に、中年の専有物と思われていた茶道は、忙しい日常でゆとりを求める若い世代に「癒し」の時間として認識されている。茶を楽しむ年齢層が多様化し、関連市場も拡大している。
市場調査会社のユーロモニターによると、昨年の韓国の茶市場の規模は1兆5818億ウォンで、前年比8.78%拡大した。茶市場の規模は2020年の1兆973億ウォンから毎年増加し、4年間で約44%成長した。流通業界では、茶市場が「第2のコーヒー」に成長すると、慎重な見通しを示している。
アモーレパシフィックの茶専門子会社、オソルロクの昨年の売上高は937億ウォン、営業利益は92億ウォンで、それぞれ前年比11.7%、68.7%増加した。マーケティングコストとオフラインチャンネルの効率化により収益性が改善され、売上高と営業利益ともに増加した。オソルロクは、プレミアム茶商品を販売する店舗「ティーハウス」を拡大してきた。ここでは「自分だけの茶づくり」「茶具を活用したお茶淹れクラス」などの体験プログラムを運営している。オソルロクは昨年、済州に「オソルロク・ティーファクトリー」を設立した。緑茶の原料栽培から加工、製品出荷まで可能な生産体制を構築した。
コーヒー専門店でも茶を求める消費者が増加している。スターバックス・コリアによると、昨年△グレープフルーツハニーブラックティー(3位)△スターバックスクラシックミルクティー(8位)△柚子ミントティー(9位)など「ティー飲料」3種が、年間の販売飲料10位以内にランクインした。販売飲料10位以内に入ったティー飲料は、2年前の2022年には1種類だけだった。スターバックス関係者は、「すっきりとした味のティードリンクが一部コーヒーの需要に取って代わり、持続的な成長を見せている」と語った。スターバックスは昨年5月に限定販売で出したピーチティーを今年1月から常時販売することを決めた。
「小さな贅沢」トレンドと相まって、「ティーおまかせ」も消費者を引きつけている。「ティーおまかせ」とは、日本語で「任せる」という意味の「おまかせ」と「ティー(Tea)」を組み合わせた言葉で、茶の専門家が顧客に様々な茶と関連サービスを提供することを意味する。ルメリディアンソウル明洞では、6つのコースで構成された「ティーおまかせ」プログラムを運営している。欧州の代表的なアーティストの作品からインスピレーションを受けた6種類の茶とペアリング料理が提供される。
専門家らは、韓国の茶市場が今後さらに成長する可能性を秘めていると分析した。淑明(スクミョン)大学経営学科の徐鏞求(ソ・ヨング)教授は、「瞑想、茶道など不安やストレスを軽減する文化は、今後も若者を中心に広がっていくだろう」とし、「コーヒー市場の成長が鈍化すれば、相対的に茶市場が大きくなる余地がある」と指摘した。
イ・ミンア記者 omg@donga.com






