
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判の弁論が大詰めを迎えていることを受け、政権与党「国民の力」の内部では、早期大統領選挙の火種を作っている。保守層が結集する流れの中で与党執行部は、「早期大統領選挙の言及は不適切」と一線を画しているが、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が大統領選に向けた動きを本格化すると、大統領選立候補を目指す与党の有力候補たちが改憲を掲げて本格的に動き出した。
与党の権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長と権性東(クォン・ソンドン)院内代表、李亮壽(イ・ヤンス)事務総長、金相勳(キム・サンフン)政策委議長ら党執行部は12日、有力な大統領選候補に挙げられる呉世勲(オ・セフン)ソウル市長が国会図書館でソウル市との共同主催で開いた改憲討論会に出席した。呉市長は、「立法・行政だけでなく、歳入・歳出の権限まで移譲する果敢な地方分権が必要だ」という分権型改憲案を打ち出した。討論会には、与党議員108人のうち48人が出席し、「事実上大統領選の出陣式を彷彿とさせる」という反応があった。
大邱市(テグシ)の洪準杓(ホン・ジュンピョ)市長も同日、李明博(イ・ミョンバク)元大統領を表敬訪問し、水面下での大統領選への動きを続けている。元喜龍(ウォン・ヒリョン)元国土交通部長官も同日、国会で「憲法裁判所の弾劾審判の不公正」を批判する記者会見を行い、昨年7月23日の党大会以来初めて公式席上に姿を現した。
金埈馹 jikim@donga.com