Go to contents

ミサイル発射の北朝鮮が韓米軍事演習を非難、トランプ氏側近「米朝交渉時は軍事演習の一時中止も可能」

ミサイル発射の北朝鮮が韓米軍事演習を非難、トランプ氏側近「米朝交渉時は軍事演習の一時中止も可能」

Posted January. 27, 2025 08:41,   

Updated January. 27, 2025 08:41


トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記に対話を提案した中、北朝鮮が25日、西海(ソへ・黄海)に「北朝鮮版トマホーク」と呼ばれる戦略巡航ミサイルを発射した。トランプ氏の大統領就任後、北朝鮮が初めて挑発を行った。しかし北朝鮮が、米本土を直接狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)挑発に出る可能性があるという当初の観測とは違って、国連対北朝鮮制裁の対象に含まれていない巡航ミサイルを選んだことを受け、「米国の反応をうかがっている」と指摘されている。

26日の北朝鮮の発表によると、25日に発射されたミサイルは複数発で、7507秒(2時間5分7秒)から7511秒(2時間5分11秒)、1500キロ飛翔した。楕円や8字型の軌道で飛翔し、目標に命中したと、北朝鮮は主張した。飛翔時間や軌道などから見て、北朝鮮が昨年1、2月に発射した潜水艦発射戦略巡航ミサイル「プルファサル(火矢)3-31」の改良型の可能性があるとみられている。

北朝鮮の官営メディアである朝鮮中央通信は26日、ミサイル発射の様子を眺める正恩氏の後ろ姿が写った写真を公開し、「(正恩氏は)恒久的な平和と安定を守護するための重大な使命と本分に常に責任を持って努力することを確認した」と報じた。「平和と安定の守護」は、北朝鮮が2023年9月に核武力強化を憲法に明記し、大義名分として掲げた表現であるため、今回も核武力強化の意思を明らかにしたものとみられる。

だが、北朝鮮は、昨年1月に「火矢3-31」の発射事実を公開し、「海軍の核武装化」を強調したのとは違って、今回は核については言及しなかった。トランプ氏が北朝鮮を「核保有国(nuclear power)」と呼び、正恩氏との対話再開を公式化してラブコールを送っているため、強度を調節したとみられている。チョン・ソンフン元統一研究院長は、「今回のミサイル発射は挑発というよりも、トランプ氏がラブコールを送る状況で、ある種のシグナルを送ったものだ」と指摘した。韓国軍消息筋は、「現在、北朝鮮内にICBMや偵察衛星発射の差し迫った兆候は確認されていない」と伝えた。

ただ、北朝鮮は同日、外務省談話を通じて、米国に韓米合同軍事演習の中止を求めるメッセージを送った。北朝鮮外務省は26日、対外報道室長名義の談話で、21~24日に行われた韓米空軍の「サンメ訓練」などに触れ、「米国が朝鮮民主主義人民共和国の主権と安全利益を拒否する以上、米国とは徹頭徹尾、超強硬に対応しなければならない」と主張した。統一研究院の洪珉(ホン・ミン)先任研究委員は、「トランプ氏に『私たちと対話したいなら、合同軍事演習を中止せよ』というメッセージを送ったもの」と指摘した。

このような中、トランプ氏の側近とされる、「米国第一政策研究所(AFPI)」のフレッド・フライツ副所長は24日(現地時間)、米自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、「北朝鮮と善意の交渉をする可能性があるなら、軍事演習をしばらく中止することは害にはならない」と主張した。フライツ氏は、第1次トランプ政権で国家安全保障会議の首席補佐官を務めた。フライツ氏は、「(米朝首脳会談の再開)実現に向けて、特別任務を担うリチャード・グレネル大統領特使が北朝鮮政府と交渉に臨むだろう」と述べた。韓米は、シンガポールでの米朝首脳会談直後の2018年8月、韓米合同演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」を中止したことがある。韓国政府消息筋は、「トランプ政府から軍事演習の中止と関連した連絡はない」とし、「3月の合同軍事演習は日程は確定しているが、トランプ氏特有の即興性と前例から見てどんなことでも起こり得るので、注視している」と話した。


孫孝珠 hjson@donga.com