
12・3非常戒厳宣布事件を高位公職者犯罪捜査処(公捜処)から引き継いだ検察が、憲法裁判所の弾劾審判での尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の発言に反論できる証拠や供述を確保し、対面での取り調べに備えていることが分かった。検察は23日、尹氏と金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官が憲法裁で主張した「象徴的な次元での軍投入」とは180度異なる内容の捜査記録をもとに尹氏の取り調べを準備している。
24日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、検察の非常戒厳特別捜査本部(本部長=朴世鉉ソウル高等検察庁検事長)は、金氏ら戒厳軍首脳部に対する供述や国軍防諜司令部、首都防衛司令部、特殊戦司令部などから押収した証拠物を多数確保した。
検察はまず、防諜司令部の家宅捜索で、洪壮源(ホン・ジャンウォン)前国家情報院第1次長が提出した「政治家逮捕者名簿」と一致する防諜司令部内部のメモを確保したという。尹氏側は21日、憲法裁弁論期日で、「韓東勲(ハン・ドンフン)与党代表、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長を逮捕するよう指示したことは全くない」と主張した。金氏も、「逮捕名簿ではなく、布告令違反の懸念対象者であり、動静を注視するように言っただけだ」と主張した。しかし、洪 氏らの証言に続き、検察が証拠まで確保したことで、逮捕を企図した疑いが明らかになったという見方もある。
検察は、郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官の取り調べで、金氏が戒厳解除議決後、郭氏に「もう一度(選挙管理委員会庁舎に)進入できないのか」と尋ねたという供述も確保したという。軍投入が「象徴的な措置」だったという尹氏側の主張とは異なり、「選管委の掌握」という明確な意図があったと、検察は判断している。
検察は23日、来月6日まで尹氏の逮捕期間の延長を求める逮捕状延長許可をソウル中央地裁に申請した。週末中に尹氏に対する訪問取り調べを行うことも検討している。
ク・ミンギ記者 ソン・ユグン記者 koo@donga.com