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被疑者・尹錫悦、オールストップ龍山、顔色をうかがう首相室…政府がない

被疑者・尹錫悦、オールストップ龍山、顔色をうかがう首相室…政府がない

Posted December. 10, 2024 08:26,   

Updated December. 10, 2024 08:26

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「12・3非常戒厳」事態から1週間が経とうとしているが、大韓民国はその泥沼から抜け出せず混乱が続いている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、「内乱容疑」として正式に立件され、出国も禁止された。尹大統領は官邸に閉じこもり、龍山(ヨンサン)大統領室は定例会議すら開かれず、機能が停止している状態だ。さらに、首相室までも、今後の事態がどのように展開されるかを注視している。行政のコントロールタワー機能が麻痺し、国政全般の空白、政府失踪事態に陥った。

このような国政の中枢の真空状態を生んだ原因は、内乱罪の刑事訴追が避けられない大統領の去就が依然として不透明だからだろう。国政回復のためには自身の非道な行為に責任を負い、自ら去就を決めなければならないにもかかわらず、自分の運命を与党に一任して沈黙している「無責任な大統領」、さらに与野党がそれぞれ政治的有利・不利の計算を優先し、膠着状態から抜け出せない「無能な国会」、これらがもたらした合作品だ。そのような政治の失敗が国政まで泥沼に陥れたのだ。

だからといって、与党代表と首相の共同国政運営という変則が異常脱出の解決策になることはできない。国会議長と野党が違憲的な行為だと反発し、韓悳洙(ハン・ドクス)首相の「代行ではない代行体制」は動作不可と判断された。さらに、権限を委任して後退したという尹大統領は、長官の辞表を受理するなど、依然として人事権を行使している。少なくとも国会の同意を受けた首相が大統領の権限を代行しない限り、いかなる臨時措置も正当性を認められない。

このような混乱の中で、安全保障の不安は大きくなっている。国防部は「現在、国軍統帥権は尹大統領にある」と述べたが、内乱容疑者の軍統帥権はすでに無力化されたうえ、違憲的な非常戒厳後、軍の指揮系統も崩壊した状態だ。危機的事態が発生した場合、誰が軍の指揮統率を担うのか疑問だ。外交も孤立している。米国を含め、各国と予定されていた日程が相次いで取り止めとなり、今後の日程からも除外され、「韓国パッシング」は深刻化している。

ただでさえ厳しい韓国経済にとって、戒厳令の爆風は致命的なリスクとなっている。株式市場では連日、外国人の売りが集中し、個人投資家も「パニック売り」を続けている。格付け会社ムーディーズとフィッチも、韓国の政治的不安定が国家信用格付けに悪影響を及ぼす可能性があると警告した。政府が推進してきたいわゆる4大改革も事実上停止し、特に医療改革は、戒厳令の際に「処分」の対象となった医療界が政府に完全に背を向け、止まってしまった。

大統領の後退だとか、秩序ある退陣だとか、共同代行体制だとか、政治的な言説が飛び交っているが、どのような臨時措置も今の不確実性と無秩序を取り除くことはできない。大統領が退かず、与党が迷走すればするほど、国民の苦痛の時間は延長されるだけだ。韓国の憲法と法律が定めた手続きに沿って違憲・違法事態を正し、民主的秩序を定着させることだけが、今の異常を克服し、予測可能性を回復する道だ。そうしてこそ、市場も世界も韓国を信頼することができる。