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生後7ヵ月の娘を救い、天国へ旅立った父親の最後の道

生後7ヵ月の娘を救い、天国へ旅立った父親の最後の道

Posted December. 29, 2023 08:15,   

Updated December. 29, 2023 08:15

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「誰よりも誠実で優しかったのに、どうしてこんなことが起こるのか....」

クリスマスの未明、炎の中から2人の娘を救った後、亡くなった30代のパクさん(33)の祭壇が設けられたソウル東大門区(トンデムンク)のサムユクソウル病院。28日午前8時頃、故人の家族や知人ら100人が参列した中、告別式が執り行われた。参列した人々は涙を流してパクさんを見送った。

ソウル市道峰区放鶴洞(トボングン・パンハクトン)のマンション火災で亡くなったパクさんの出棺で、遺族の一部は、満面の笑みを浮かべたパクさんの遺影が運ばれてくると、言葉を失い涙を流した。霊柩車が動き出すと、遺族と知人たちは「残された私たちはどうすればいいのか」と号泣した。車両が去った後もその場を離れない人もいた。ある弔問客は、「残された母親と子どもたちのことを考えると心が痛む」と話した。

パクさんの妻チョンさん(34)と2人の娘は同日、告別式に出席できなかった。子どもたちは大きな怪我はないというが、チョンさんは飛び降りた時の衝撃で肩と腰の骨折など重傷を負い、治療中だ。看護師だったチョンさんは、ソウルの高校で保健教師として働き、夫の薬剤師試験の準備を支えたという。告別式で会った知人のパク・ゴンヨンさん(55)夫妻は、「突然、こんな事故が起こるとは思わなかった。残念でならない」と言葉を詰まらせた。

パクさんは、2歳の娘をリサイクルの袋の上に投げ、7ヵ月の娘は抱いて飛び降り、2人の娘を助けた。パクさんは、ソウルのある大学の薬学部を卒業し、昨年薬剤師試験に合格して薬剤師として働いていた。告別式で会ったパクさんの知人(63)は、「大学時代から、週末に風邪薬など医薬品を脆弱階層に届ける教会のボランティアによく参加した」とし、「誰よりも誠実で優しい学生だったと記憶している」と話した。

マンション火災を最初に通報した後、非常階段で心停止状態で発見されたイムさん(38)の告別式も同日午前、ソウル市蘆原区(ノウォンク)の乙支(ウルチ)大学病院で行われた。イムさんは家族を先に避難させ、火災現場を抜け出す際に命を落とした。出棺の時、イムさんの父親は「すまない、ありがとう、息子よ」と叫び、故人を見送った。


イ・サンファン記者 payback@donga.com