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エジプト「ハマス流入を懸念」、パレスチナ難民の唯一の脱出口を遮断

エジプト「ハマス流入を懸念」、パレスチナ難民の唯一の脱出口を遮断

Posted October. 16, 2023 10:06,   

Updated October. 16, 2023 10:06

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イスラエルが、イスラム組織ハマスの本拠地であるガザ地区に対する大規模な地上侵攻を予告し、退避を勧告しているが、ガザ地区を出ることができる唯一の通路であるラファ検問所をエジプトが遮断していると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどが14日(現地時間)、伝えた。

イスラエル及びガザ地区と国境を接しているエジプトは、これまで仲介役をしてきたが、パレスチナ問題が国境を越えてはならないという立場を維持してきた。ガザ地区の難民がエジプトに入国する場合、ハマスの戦闘員が民間人に紛れたり、武器が流入して紛争がエジプト内に広がることを警戒しているためだ。

武力衝突が長期化する中、ガザ地区住民のエジプト内への避難を許可する場合、恒久的な移住につながる可能性があるということもエジプトには負担だ。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」というアラブ圏全体の構想に支障をきたす可能性があるからだ。米ワシントンにあるタハリール中東政策研究所のティモシー・カルダス副所長は、「政治的にどのアラブ国家もパレスチナ人の移住を助けるように見えることを望まないだろう」と米紙ワシントン・ポストに伝えた。

エジプトのシシ大統領は12日、「2国家共存はすべてのアラブ人の大義であり、パレスチナ人は自分たちの土地にとどまるべきだ」と強調した。エジプトのオラビ元外相も、「(ガザ地区近くにある)エジプトのシナイ半島をパレスチナ人の代替居住地にする議論が始まれば、パレスチナ問題は大きく混乱するだろう」と警告した。

エジプト内の反パレスチナ感情も強い。2008年、ハマスがラファ国境に穴を開けて数万人のパレスチナ難民が押し寄せた後、パレスチナ移民に対するエジプト人の警戒心が高まった。米外交問題評議会のスティーブン・クック氏は、「シシ大統領政権1年目だった2014年のガザ紛争当時、エジプト人はイスラエル人にハマスの壊滅を求めたほどだ」と、米紙ニューヨーク・タイムズに語った。さらに、シシ氏は、エジプト経済が大きく揺らいでいる状況で12月に大統領選挙を控えている。だが、シシ氏は12日、「医療的であれ人道的であれ、パレスチナへの援助が適切に行われるよう努力している」と話した。


キム・ボラ記者 purple@donga.com