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失業給付を狙った「偽求職」が今年で4万件、摘発だけでもこの程度だから

失業給付を狙った「偽求職」が今年で4万件、摘発だけでもこの程度だから

Posted September. 21, 2023 08:41,   

Updated September. 21, 2023 08:41

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今年1~8月、失業給付を受け取るために偽書類を提出したり、形ばかりの求職活動をして摘発された事例が4万6909件に達することが、集計の結果わかった。昨年の場合、同じ理由で摘発された件数は上半期が69件、下半期は1295件だった。政府が昨年7月から、コロナ禍で大幅に緩和した失業給付認定要件と求職活動検証を強化後、摘発事例が急増したのだ。見つけ出された件数だけでもこの程度なので、実際の失業給付を不正な方法で受け取った事例ははるかに多いだろう。

雇用労働部が国会に提出した実態資料には、失業給付を受け取るための多様な抜け穴が網羅されている。募集期間が終わったか採用計画のない会社に志願すること、書類選考に合格して面接を受けに行かないことは最も普遍的な手法だ。看護助手の資格証もないのに看護助手のポストに志願するなど、最初から合格が不可能な働き口にだけ願書を出したり、面接確認書の人事担当者の署名欄に本人が署名したりする方法で書類を偽造して摘発されたこともある。失業給付の受領のための最小期間だけ働いた後、「解雇として処理してほしい」という偽退職者で苦心していた中小企業と自営業者が、偽の志願者まで急増し膨大な被害を訴えているのが現状だ。

再就職より失業給付の受け取りに没頭する理由は、働いている時よりもそうでない時により多くのお金を受け取れる異様な構造のためだ。失業給付は下限額が最低賃金の80%と定められており、下限額(185万ウォン)だけをもらっても、最低賃金(201万ウォン)を受け取る人が4大保険料と税金を払って手にする実受領額とあまり差がなくなる。昨年、失業給付の受給者の28%は、在職時に受け取った税引き後の月給よりさらに多くの失業給付を受け取った。失業給付を受け取るために雇用保険料を払う期間も6ヵ月で、12ヵ月を要求する日本やドイツに比べて敷居が低い。このため、失業給付を繰り返し受け取る割合は増え、失業給付の受給者の再就職率は下がる傾向だ。

失業給付の財源である雇用保険基金は、10兆ウォン以上あった積立金が底をつき、他の基金から借りた10兆3000億ウォンを除けば、3兆9000億ウォンの赤字となっている。雇用保険料率も上がり、労働者と使用者が追加で負担した保険料が、5兆ウォンを超える。血税を浪費して誠実に保険料を払った人の労働意欲まで落とす失業給付を、このままにしておくことはできない。不正受給を徹底的に選別し、失業給付の支給条件を強化するものの、下限額は下げて再就職を奨励する制度の趣旨を生かさなければならない。