繁忙期の夏にも振るわなかった大作の韓国映画
Posted September. 05, 2023 08:19,
Updated September. 05, 2023 08:19
繁忙期の夏にも振るわなかった大作の韓国映画.
September. 05, 2023 08:19.
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「映画『非公式作戦』の低迷は悔しくて胸が痛かったが、結果を謙虚に受け止める。期待は大きかったが、現実は違っていた。演技人生の間違いノートに書き、より良い作品を受け入れるために力を注ぐ」今年でデビュー20年を迎えた映画俳優のハ・ジョンウ(45)が、パンデミック以来凍りついた夏の映画界の状況を痛感しながら打ち明けた告白だ。それもそのはず、彼が主演した映画「非公式作戦」は先月2日に公開され、105万人の観客を集めるのに止まった。モロッコとイタリア現地での撮影が70%に達し、200億ウォン以上の制作費をかけた大作だったため、損益分岐点(約600万人)も高かった。ハ・ジョンウは、韓国映画で初めてシリーズ連続で1000万人の観客を突破した「神と共に第一章:罪と罰」(2017年)、「神と共に第二章:因と縁」(2018年)の主演をはじめ、多数の映画で成功した「興行保証小切手」のような俳優だ。そんな彼も、パンデミック後に変わった観客の反応には力を失った。映画界で夏シーズン(7、8月)は代表的な繁忙期に挙げられる。そのためか、エンデミック後初めての夏を迎え、先月「密輸」を皮切りに二つの千万人興行記録(「神と共に」シリーズ)を立てたキム・ヨンファ監督の5年ぶりの新作「ザ・ムーン」をはじめとする「非公式作戦」「コンクリートユートピア」などの大作韓国映画が、相次いで公開された。映画界は、大作映画の相次ぐ公開が映画界に活気を呼び起こすと期待したが、4本のうち、損益分岐点を越えた作品は「密輸」が唯一だ。製作費280億ウォンがかかったキム・ヨンファ監督の「ザ・ムーン」は、損益分岐点が600万人だったが、観客は51万人にとどまり興行に惨敗した。制作費が100億ウォン未満の中小型映画の事情も似ている。今年公開された映画の中で、損益分岐点を越えた中小型作品は、ホラー映画「玉水(オクス)駅の鬼」のたった1本だった。それさえも、低予算の映画だったので、損益分岐点(20万人)を越えることができた。映画界では、韓国映画の不振について色々な分析を出しているが、最も注目すべき部分はパンデミック期間中にネットフリックスなどのオンライン動画サービス(OTT)に慣れた観客の目線が高くなったという点だ。OTT1ヶ月の購読料に匹敵する映画観覧料を払って映画館に足を運ぶ時は、「映画館で見る価値がある映画」かどうかが重要な選択基準になる。パンデミックの時、映画製作および公開が延期され、スター俳優や有名監督、スタッフなど大勢の人たちがOTTに移った。そのため、スターが出演し、着実としたストーリーに華やかな演出を誇るOTT作品が多い。これ以上観客が映画だけに出演する「映画俳優」を見に映画館に足を向けなくても良くなったという意味だ。公開作の大半が、映画館公開が終わればOTTで見ることができる。そのため、一部の観客の間では、「本当に惹かれる映画でなければ、待ってOTTで見る」という話も出ている。結局、韓国映画復活の必須条件は「良質のコンテンツ」を出すことだ。ありきたりの展開と時代遅れの新派、自己複製が疑われる演技に対する大衆の評価基準は厳しくなっている。来年夏に映画界からは、「韓国映画の底力を味わった」という話が聞こえてくると良いのだが。ベテラン俳優たちの「演技人生の間違いノート」が、再び開かれることがないよう期待する。
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「映画『非公式作戦』の低迷は悔しくて胸が痛かったが、結果を謙虚に受け止める。期待は大きかったが、現実は違っていた。演技人生の間違いノートに書き、より良い作品を受け入れるために力を注ぐ」
今年でデビュー20年を迎えた映画俳優のハ・ジョンウ(45)が、パンデミック以来凍りついた夏の映画界の状況を痛感しながら打ち明けた告白だ。それもそのはず、彼が主演した映画「非公式作戦」は先月2日に公開され、105万人の観客を集めるのに止まった。モロッコとイタリア現地での撮影が70%に達し、200億ウォン以上の制作費をかけた大作だったため、損益分岐点(約600万人)も高かった。ハ・ジョンウは、韓国映画で初めてシリーズ連続で1000万人の観客を突破した「神と共に第一章:罪と罰」(2017年)、「神と共に第二章:因と縁」(2018年)の主演をはじめ、多数の映画で成功した「興行保証小切手」のような俳優だ。そんな彼も、パンデミック後に変わった観客の反応には力を失った。
映画界で夏シーズン(7、8月)は代表的な繁忙期に挙げられる。そのためか、エンデミック後初めての夏を迎え、先月「密輸」を皮切りに二つの千万人興行記録(「神と共に」シリーズ)を立てたキム・ヨンファ監督の5年ぶりの新作「ザ・ムーン」をはじめとする「非公式作戦」「コンクリートユートピア」などの大作韓国映画が、相次いで公開された。映画界は、大作映画の相次ぐ公開が映画界に活気を呼び起こすと期待したが、4本のうち、損益分岐点を越えた作品は「密輸」が唯一だ。製作費280億ウォンがかかったキム・ヨンファ監督の「ザ・ムーン」は、損益分岐点が600万人だったが、観客は51万人にとどまり興行に惨敗した。
制作費が100億ウォン未満の中小型映画の事情も似ている。今年公開された映画の中で、損益分岐点を越えた中小型作品は、ホラー映画「玉水(オクス)駅の鬼」のたった1本だった。それさえも、低予算の映画だったので、損益分岐点(20万人)を越えることができた。
映画界では、韓国映画の不振について色々な分析を出しているが、最も注目すべき部分はパンデミック期間中にネットフリックスなどのオンライン動画サービス(OTT)に慣れた観客の目線が高くなったという点だ。OTT1ヶ月の購読料に匹敵する映画観覧料を払って映画館に足を運ぶ時は、「映画館で見る価値がある映画」かどうかが重要な選択基準になる。
パンデミックの時、映画製作および公開が延期され、スター俳優や有名監督、スタッフなど大勢の人たちがOTTに移った。そのため、スターが出演し、着実としたストーリーに華やかな演出を誇るOTT作品が多い。これ以上観客が映画だけに出演する「映画俳優」を見に映画館に足を向けなくても良くなったという意味だ。公開作の大半が、映画館公開が終わればOTTで見ることができる。そのため、一部の観客の間では、「本当に惹かれる映画でなければ、待ってOTTで見る」という話も出ている。
結局、韓国映画復活の必須条件は「良質のコンテンツ」を出すことだ。ありきたりの展開と時代遅れの新派、自己複製が疑われる演技に対する大衆の評価基準は厳しくなっている。来年夏に映画界からは、「韓国映画の底力を味わった」という話が聞こえてくると良いのだが。ベテラン俳優たちの「演技人生の間違いノート」が、再び開かれることがないよう期待する。
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