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ハングルを覚えた平均年齢85歳の女性たちがラップに挑戦

ハングルを覚えた平均年齢85歳の女性たちがラップに挑戦

Posted September. 01, 2023 08:33,   

Updated September. 01, 2023 08:33

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「私が幼い頃、友達は学校に通っていたよ!私は塀の下にしゃがんで泣いていたよ!皿洗い!赤ちゃんの世話!私の仕事はそれだよ!気が狂いそう!」

ヒップホップの歌手たちが吐き出すライム(脚韻や音節数を合わせて、リズム感を生かすこと)と比べても遜色のないラップを披露する人たちは、平均年齢85歳の女性たちだ。

80歳近くなってハングルを覚えた後、コンピューター用フォント(字体)まで製作して話題となった慶尚北道漆谷(キョンサンブクド・チルゴク)の女性たちが、ラッパーに変身した。漆谷郡枝川面(チチョンミョン)シン4里の女性たちは先月30日、村の敬老堂でヒップホップグループ「スニと7姫」を結成し、本格的な活動を始めた。

グループ名には、リーダーのパク・ジョムスンさん(85)の名前の最後の文字の「スン」を変形した「スニ」と、その他に7人のメンバーが参加するという意味を込めた。最高齢メンバーは、92歳のチョン・ドゥイさんで、一番若い人は、75歳のチャン・オクグムさんだ。

女性たちは、過ぎ去った人生を通して感じた痛みと寂しさ、懐かしさをラップにそのまま溶かした。韓国戦争当時、銃声を爆竹の音と誤解したという内容が盛り込まれた「タクコン」と、北朝鮮軍に会った感想を表現した「赤」などが代表的だ。イ・ピルソンさん(87)は、「赤には、慶尚北道星州(ソンジュ)の伽倻山(カヤサン)で、北朝鮮軍の兵士に会う前まで、共産軍は全身が赤いと思っていたという内容が盛り込まれている」とし、「ラップで、子供たちに戦争の苦痛と統一の必要性を知らせたい」と話した。

女性たちのラップ先生は、一時ヒップホップミュージシャンを夢見ていた漆谷郡倭館邑(ウェグァンウプ)事務所のアン・テギ主務官だ。アン氏は、2週間に1度は敬老堂を訪れ、女性たちと一緒に汗を流しながらデビュー舞台を準備している。

スニと7姫は今秋、地元の祭りの公演舞台でデビューする予定だ。漆谷郡の金載昱(キム・ジェウク)郡守は、「年齢は数字に過ぎないということを、漆谷の女性たちが証明している。女性たちの愉快な挑戦が続くよう、支援を惜しまない」と話した。

女性たちは、漆谷郡が運営する成人リテラシー教室で、80前後の年齢でハングルを学んだ。女性たちが書いた書体を基盤に、コンピュータ文書用フォント「七曲ハルメグル形」も作られた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、今年の新年年賀状に漆谷ハルメグル形を使って話題を集めたりもした。


漆谷=ミョン・ミンジュン記者 mmj86@donga.com