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「トランプ起訴」で分裂する米国、「文書流出は深刻」vs「政治起訴」

「トランプ起訴」で分裂する米国、「文書流出は深刻」vs「政治起訴」

Posted June. 13, 2023 08:28,   

Updated June. 13, 2023 08:28

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トランプ前米大統領が退任時に機密文書を持ち出したことなど37件の容疑で8日、連邦検察によって起訴された後、米社会の分裂様相がさらに深刻化している。トランプ氏の支持層は、今年3月、ニューヨーク州マンハッタン地区検察がトランプ氏を政権発足前の「不倫口止め料」支払いのための文書改ざんなど34件の容疑で起訴したのに続き、連邦検察まで政治的起訴に乗り出したとして、バイデン政権に対抗するための武力行動の可能性まで取り上げた。一方、与党民主党の支持者と野党共和党の一部の大統領候補は、度重なる司法リスクに直面しているトランプ氏は候補資格がないとし、「予備選挙の辞退」を求めた。

世論調査でも「正当な捜査」という意見と「政敵弾圧」という反論が激しく対立している。ただ、トランプ氏側は、3月のマンハッタン地区検察の起訴の時と同様、今回の連邦検察の起訴も支持層結集のきっかけになると自信満々の様子だ。

●48%「起訴当然」vs47%「政治的起訴」

米放送局ABCと世論調査会社イプソスが9、10日に実施した調査によると、トランプ氏を起訴すべきかという質問に、回答者の48%が「そうだ」と答えた。46%は「選挙運動を中止すべきだ」とも答えた。一方、47%は「今回の起訴が政治的動機でなされた」と答え、今回の事態をめぐって完全に分かれた米世論の現状を示した。

支持政党別の回答もかなりの差を示した。民主党支持者の91%は、トランプ氏の機密文書持ち出し疑惑が「深刻だ」と答えた。一方、共和党支持層は38%だけがこれに同意した。

一部のトランプ支持者は、暴力行動の可能性を示唆した。アリゾナ州知事選に出馬したことがある親トランプ傾向のキャリー・レイク氏は9日、「私と同志のほとんどは全米ライフル協会(NRA)カードを所持した会員」と述べ、不当な起訴に立ち向かうと主張した。保守派の扇動家ピート・サンティリ氏も同日、「私が海兵隊司令官なら、すべての海兵隊員に『バイデン大統領をピックアップトラックの荷台に入れた後、ホワイトハウスから追い出せ』と命令するだろう」という暴言を吐いた。

一方、トランプ政権で司法長官を務めたウィリアム・バー氏は11日、「私はあんなに多くの文書がそこ(トランプ氏の邸宅であるフロリダ州マールアラーゴ)にあったということと、その文書の敏感さに驚いた」とし、「連邦検察の主張が半分だけ事実として確認されてもトランプ氏は終わった」と批判した。共和党大統領候補の予備選挙に挑戦するエイサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事も起訴当日の8日、「進行中の刑事訴訟は予備選挙の大きな妨げ」とし、トランプ氏の辞退を求めた。

●13日に裁判所出頭、遊説を彷彿

トランプ支持層の結集は加速している。米放送局CBSと世論調査会社ユーガブが7~10日に実施した調査によると、共和党支持層の61%は共和党の大統領候補としてトランプ氏を「支持する」と答えた。

党内支持率2位のロン・デサンティス・フロリダ州知事はわずか23%の支持しか得られなかった。ティム・スコット上院議員、ニッキー・ヘイリー前国連大使、マイク・ペンス前副大統領らは一桁の支持率にとどまった。候補乱立の中、トランプ氏が1位を独走している。

トランプ氏は10日、サウスカロライナ州の遊説で、「奇妙な方法だが、私も(起訴を)楽しんでいる」とし、「世論調査は急増し、小額寄付も記録を更新している」と話した。政治サイト「ポリティコ」のインタビューでも、「有罪判決を受けても(選挙を)決して辞退しない」と完走を誓った。

トランプ氏は13日、フロリダ州マイアミ連邦裁判所に出頭する。全世界のメディアの熱烈な取材競争が繰り広げられる可能性が高く、この場がトランプ氏の遊説場を彷彿とさせるとみられている。今回の裁判を担うアイリーン・キャノン裁判官は、トランプ氏が政権当時、連邦裁判官として指名した人物で、親トランプ派とされる。


ユン・ダビン記者 empty@donga.com