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39年の歴史に幕、韓人レストラン閉店で米俳優ら「感謝の合唱」

39年の歴史に幕、韓人レストラン閉店で米俳優ら「感謝の合唱」

Posted May. 02, 2023 08:34,   

Updated May. 02, 2023 08:34

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「こんな瞬間が来るとは思いもしなかった。一生忘れないだろう」

先月26日(現地時間)、米ニューヨークのマンハッタン・ブロードウェイ劇場街で39年間、レストラン「スターライトデリー」を経営したキム・ミンさん(71)が店の前で泣きながら言った。キムさんの周りには、ブロードウェイの俳優や劇団関係者など常連客数十人が拍手を送り、目を潤ませた。先月28日のデリー営業終了を前に、常連客が別れを告げ、キムさんの新たな出発を祝福するために、わざわざやって来たのだ。

このブロードウェイの常連客たちは、キムさん夫妻のために、米国で別れの時に相手の幸運を祈って歌う「Happy Trail(ハッピートレイル)」を合唱し、各々が感謝の気持ちを書いた大きな額縁をプレゼントした。歌を聴きながら、キムさんの妻は両手で涙を拭いた。また、退職祝いに集めた1万7839ドル(約2400万ウォン)をキムさん夫妻に渡した。彼らの感動的な別れのシーンは、ソーシャルメディアを通じて拡散され、感動を伝えている。

ソウル出身のキムさんは29歳だった1981年にニューヨークに移住し、84年にタイムズスクエア近くの44番街にデリーを開いた。デリーは簡単に食事を済ませることができるサンドイッチ、スープ、コーヒーなどを販売する店。40年近く一日も休まず営業し、ブロードウェイの人々の「心の故郷」のようになったこの店の最後をCBS、FOXニュースなど米メディアも報じた。

ミュージカル「アラジン」でジニーを演じたジェームズ・モンロー・アイグルハートは、FOXニュースのインタビューで、「私たちがメイクをしていると、キムさんが劇場の楽屋にサンドイッチを持ってきてくれた」とし、「思い出の多い場所」と話した。ニック・フォレロ劇場美術監督はCBSに「ミスターM(キムさんの愛称)は、私たちの業界の伝説的存在だった。彼のことが恋しくなるだろう」と話した。

キムさんは、米メディアのインタビューで、高齢と家賃、新型コロナウイルスの影響などで店を畳むと伝えた。「今後何をしたいのか」との質問に、キムさんは「寝たい」と言って笑った。


金玹秀 kimhs@donga.com