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北朝鮮の偵察衛星予告、南に撃って韓米の反応をうかがうつもりか

北朝鮮の偵察衛星予告、南に撃って韓米の反応をうかがうつもりか

Posted April. 20, 2023 08:20,   

Updated April. 20, 2023 08:20

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が国家宇宙開発局を視察し、軍事偵察衛星1号機を計画された期日内に打ち上げるよう指示したと、北朝鮮メディアが19日、報じた。偵察衛星は、「4月現在、製作が完了した」としながらも、「計画された期日」は明らかにしなかった。金正恩氏はまた、偵察衛星の保有について、「絶対に放棄することも、逃すことも、変えることもできない必須不可避の先決的課題」とし、「今後、連続的に複数の衛星を多角的に配置する」と述べた。

金正恩氏が「計画された期日」とだけ明らかにしたため、偵察衛星の打ち上げ時期がいつになるかは明らかではない。ただ、来週の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の米国国賓訪問を前に衛星の打ち上げを予告することで、韓半島を高い緊張状態に追い込もうという意図は明らかだ。北朝鮮は昨年12月、「2023年4月までに偵察衛星1号機の準備を終える」と明らかにした。ひとまず衛星の準備は終わったが、金正恩氏が「非常設準備委員会の構成など最終準備」に言及したことで、打ち上げまでには時間がかかるかもしれない。

その性能がどのようなものかは疑問だが、偵察衛星の打ち上げはこれまでの核弾頭搭載の弾道ミサイルのような軍事的脅威を越え、高度な複合的緊張をもたらす多目的な挑発脅迫であることは明らかだ。金正恩氏は「敵対勢力の動きを常時把握する」とし、「先制的な軍事力の使用」次元だと述べた。空中戦力が絶対的に劣勢の状況で、多くの偵察衛星を稼働させて韓半島の韓米軍事力の動向を監視し、核攻撃目標の座標を確保するという考えを露骨に示したのだ。

何より、その打ち上げ方向は東ではなく南である可能性が高いという点で、韓半島と周辺を超緊張状態に追い込む可能性がある。北朝鮮は2016年の「光明星(クァンミョンソン)4号」の打ち上げの時のように、韓半島の西海岸に沿って在日米軍がいる沖縄を経由してフィリピンの東に飛ばすことで、韓米の追跡・迎撃能力を試すだろう。さらに、「宇宙利用権」を掲げて、国際機関に打ち上げ計画を事前通知するなど、横柄な行動で国際社会がどのように反応するかを見るかもしれない。

このような北朝鮮の大胆な挑発は、韓米の対応を招くだろう。尹大統領は19日、海外メディアとのインタビューで、北朝鮮に対する監視・偵察・情報能力の強化とともに「超高性能・高出力兵器」の開発計画も明らかにした。また、韓米首脳会談では、北大西洋条約機構(NATO)の「核計画グループ」以上の韓米共同の対応体制についても話し合われるという。北朝鮮がいくら大きな挑発をしても、韓米が堅固な同盟システムと常時の対応態勢を整えれば、驚いたり恐れたりする必要はないだろう。