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訪問先を間違えて…白人住民に銃撃された黒人少年

訪問先を間違えて…白人住民に銃撃された黒人少年

Posted April. 19, 2023 08:34,   

Updated April. 19, 2023 08:34

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「助けてください、助けてください、撃たれました」

13日夜、米ミズーリ州カンザスシティに住むジェームズ・リンチさん(42)がシャワーを浴びてベッドに横になろうとした瞬間、どこからかか細い声が聞こえた。普段は静かな町なので、夜に音が聞こえることは珍しかった。窓の外を見ると、誰かが地面に倒れ、隣家のドアを叩いていた。家の外に出たリンチさんは、庭と塀を越えて隣家の前に向かった。リンチさんは目の前の光景に驚いた。

そこには血まみれの黒人少年(16)が倒れていた。頭と腕を撃たれた状態だった。少年の手首にはまだ脈があった。リンチさんは少年の手を握り、名前を尋ねた。少年は何かを言おうとしたが、言葉が出なかった。

少年は少し前、両親に頼まれて家の外に出たところ、このような災難に遭った。両親は少年に住所が「115番テラス」の家に行き、11歳の双子の弟を迎えに行くように言った。少年は夜道で家を探し、住所を間違えて「115番ストリート」の家のドアベルを押した。ドアベルを押し間違えた代償は大きかった。

住人のアンドリュー・レスター被告は84歳の白人男性で、家の前にいた黒人少年に向かって銃を撃った。32口径ピストルから発射された弾丸はガラス扉を突き破り、少年の頭に当たった。レスター被告は倒れた少年に近づき、銃で腕も撃ったという。

リンチさんの通報を受けて出動した警察は、すぐにレスター被告を逮捕した。しかし、24時間拘留された後、州法に基づく「起訴前の拘留可能時間」を過ぎ、釈放された。これに対し、住民数百人がレスター被告の自宅前に集まって抗議デモを行うなど激しく批判した。警察は17日、重罪容疑でレスター被告を起訴した。

少年の名前はラルフ・ヤールさん(写真)。両親はリベイラ移民で、学校でビデオゲームや運動が得意なことで有名な少年だ。ヤールさんは頭に重傷を負ったが、緊急手術を受け、命に別状はない。警察は、「ヤールさんがレスター被告の家の敷居を越えておらず、銃撃が行われる前に言葉が交わされた形跡がない」とし、「今回の事件が人種関連の動機で発生したか調査している」と明らかにした。


シン・グァンヨン記者 neo@donga.com