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年を取るにつれて自分を制限するな

Posted February. 13, 2023 08:42,   

Updated February. 13, 2023 08:42

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「幸せの秘訣はこれだ。あなたの関心をできるだけ広げなさい。あなたが興味を持っている物や人に対して、敵対するのではなく、できるだけ親切な反応を見せなさい」(バートランド・ラッセル著「幸福の獲得法」)

特別なことのない言葉のように見えるが、そうではない。ここでラッセルは、よく人生の知恵として通用するものとは正反対のことを言っているからだ。

老年のゲーテは、若い秘書エッカーマンに対し、賢明な人生を送る方法を教える。その柱は、「計算が上手になること」だ。計算が上手だということは「自分を制限すること」を意味する。すなわち、何の役にも立たない多くの外国語の勉強や自分が最後までやり遂げないことが明らかな分野に対する関心はもうやめて、自分のものにできることだけに集中しなければならない。野心を持った若者なら、当然そうすべきだろう。

ところで、あなたがもはや若くなかったらどう?私たちは年を取るにつれて、ますます多くの関心事から引退し、人生を単純化しなければならないと考えることが多い。しかしラッセルの観点からは、年配の人が「自分自身を制限する」努力を続けることは危険なことだ。私たちが関心を注ぐ対象を減らしていくほど、残った項目に対してはさらに多くのことを要求せざるを得ないためだ。その対象は、我々の高まった要求に応えられない可能性がますます高まっている。その結果、我々の不幸はますます高い確率で確実になる。

ウィリアム・トレヴァーの短編小説には、人生が暮れることを予感し、すべてを処分する老人が出ている。トランク一つだけを残してすべてを整理してみると、死を迎えるベッド以外は本当に行くところがなくなった。

誰もそんなふうに世を離れたくはないだろう。体を動かすことさえできればね。少なくとも、その時まではずっと新しいことを読んで学び、これまで知らなかった美しさに感動しながら暮らしたい。周りから「その歳で何をそんなことまで関心を持つのか」と叱られるなら、あなたは晩年の人生を賢明に生きているのだ。