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米FRBのビッグステップ、韓国は「インフレと景気後退」の間でさらに厳しい戦いが始まる

米FRBのビッグステップ、韓国は「インフレと景気後退」の間でさらに厳しい戦いが始まる

Posted December. 16, 2022 08:36,   

Updated December. 16, 2022 08:36

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米連邦準備制度(FRB)は、基準金利を0.5%ポイント引き上げるビッグステップに踏み切った。これで米国の基準金利は15年ぶりに最高の4.5%に高まった。FRBが来年中に基準金利を下げる意思がないという意思を明確にしたことで、米国の緊縮に触発された金利高とドル高、グローバル景気低迷は来年まで続く可能性が高くなった。

これに先立っての4度の0.75%ポイントの引き上げに比べ、今回のFRBの金利引き上げ幅は縮小された。6月に9%台に高騰した米国の消費者物価が5ヵ月連続で下落し、先月7%台前半に下がると、金利引き上げの速度を遅らせたのだ。だが、FRBのジェローム・パウエル議長は、「焦点は、物価を目標である2%にまで下げるために金利を上げることであって、下げることではない。まだまだ先は遠い」と話した。来年中に金利引き下げが始まるだろうという期待に水を差したことになる。世界の証券市場は軒並み弱含みに転じた。

先月に基準金利を3.25%に引き上げた韓国と米国の金利差は、1.25%ポイントに広がった。22年2ヵ月ぶりの最大の格差となる。来年、FRBは5.25%まで金利をさらに高める予測であり、「キングドル」現象は続く見通しだ。韓国をはじめとする新興国の外国資金の流出の懸念は、さらに高まっている。来年は1%台、最悪の場合はマイナス成長の懸念まで提起された状況で、韓国は景気がさらに沈み、家計と企業の利払いの負担が大きくなっても金利を追加で引き上げなければならない立場だ。

その上、金利高、物価高の中でも完全雇用に近いほど失業率が低く、民間消費も心強い支えとなる米国と韓国は事情が完全に違う。史上最大の借金を背負っている韓国家計は利払いが急増し、住宅価格・株価が下がると、急いで財布のひもを引き締め始めた。韓国経済の支えである輸出大手企業各社は、欧州連合(EU)や中国の景気低迷が表面化し、投資や雇用を増やすことをためらっている。国際原油価格も、ウクライナ戦争の推移や産油国の減産可否によって、いつでも再び揺れ動くだろう。ウォン安ドル高や輸入原材料価格のため、5%台にとどまっている消費者物価の上昇率は、来年初めまで現在の傾向を続ける見通しだ。

韓国経済はすでに、景気低迷とインフレが重なったかつてないほどの厳しい経済寒波に突入した。脆弱階層の生活苦は深まり、企業の連鎖破産も現れかねない。労働者や自営業者、企業、政府と政界が「ワンチーム」で力を合わせて、少しずつ忍耐し譲歩しなければ勝ちにくい戦いだ。