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冬の初めにシューベルトの「冬の旅」の4色の恋に落ちてみるのはいかが

冬の初めにシューベルトの「冬の旅」の4色の恋に落ちてみるのはいかが

Posted November. 14, 2022 08:43,   

Updated November. 14, 2022 08:43

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「『冬の旅』は、挫折した愛の歌の退屈な連続になりやすい作品を、不滅の芸術にする超越的特性がある。素朴だが、心に響いて、言い表せないことに触れる」(イアン・ヴォストリッジ著『シューベルトの冬の旅』)

冬の入り口、シューベルトの連歌曲「冬の旅」を披露する特別な舞台が相次いで用意される。12月2日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の芸術の殿堂のコンサートホールとIBKチャンバーホールでは、1人劇と音楽劇でそれぞれ飾った「冬の旅」が同じ時間に舞台に上がる。現役のドイツ歌曲の最高解釈家に挙げられるテノールのイアン・ボーストリッジは、12月3日、ソウル松坡区(ソンパグ)のロッテコンサートホールで、バリトンのトーマス・ハンプソンは17日、慶尚南道統営(キョンサンナムド・トンヨン)の国際音楽堂のコンサートホールで「冬の旅」の全曲を歌う。

バリトンのイ・ウングァンは、12月2日、IBKチャンバーホールで「冬の旅」をモノローグ(1人劇)の形式で公演を行う。クラシックとジャズの両方で活動してきた作曲家・ダウムの編曲が加味される。ダウムは、「曲の間の流れをピアノで解釈し、拍子やハーモニーで若干の機転を加えた。最後の曲『街の楽士』の動機を随所に配置し、全曲に統一感を与えようとした」と明らかにした。ピアニストのイ・ソヨンが伴奏を担当する。

同じ時間、同じロビーを使うコンサートホールでは、複数の人物が出演するミュージックドラマ「シューベルトと冬の旅」が公演される。ベースのソン・ヘスが年配の大工ヨナスで、バリトンのヤン・ジュンモが若い大工レオとして出演する。室内楽アンサンブルのトライベッカとピアニストのキム・ジュリ、ギタリストのキム・ジンテクが伴奏を担当する。ストーリーには、原曲にない想像が加味される。大工ヨナスは過去を思い出す。若い日、優れた大工になるために放浪していた彼に、愛する女性ができたが、その愛は水の泡となった。年を取った彼は、娘マグダレーナを愛する大工レオから若い自分の姿を見る。レオは夢と愛をかなえるだろうか?マグダレーナ役は俳優のイ・サンハが、彼の母親役はピアニストのアン・インモが演じる。

翌日の3日午前11時半、ロッテコンサートホールで「冬の旅」の全曲を歌うテノール・ボストリッジは、2004年と2019年の2回にわたって冬の旅のアルバムを出した。両アルバムとも、この時代の冬の旅の代表級アルバムとして認められている。ピアニストのトーマス・アデスと共に手掛けた2019年のアルバムは、翌年に国際クラシック音楽賞(ICMA)を受賞し、彼が書いた本「シューベルトの冬の旅」(2016年)も、この曲の芸術的性格と歴史的意味をあまねく照明した名著として認められている。今回の公演では、伴奏専門ピアニストのジュリアス・ドレイクが共にする。

オペラと芸術歌曲の両方で知的な表現と魅力的な音声を認められてきたバリトンのハンプソンは、12月17日にピアニストのユン・ホンチョンの伴奏で、統営国際音楽堂のコンサートホールで「冬の旅」の全曲を歌う。彼も、2011年にピアニスト兼指揮者のヴォルフガング・ザヴァリシュのピアノ伴奏として出した「冬の旅」のアルバムが、愛好家の名曲アルバムリストに載っている。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com