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温かい励まし

Posted April. 29, 2022 08:39,   

Updated April. 29, 2022 08:39

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古くから,中国西南部の四川省一帯を蜀、長安から蜀へと通じる道を蜀道と呼んだ。蜀は李白の故郷でもあるが、詩「蜀道難(蜀に向かう険しい道)」で、彼は蜀道を「青空に登るより難しく」、あらゆる猛獣がうようよする険地だと紹介している。まさにその険しい道のりに向かう友人を見送る席で、詩人は触道の風景を描写し、友人の前途に対する懸念とねぎらいの気持ちを込めた。人生に対する楽観的な忠告とともに。

蜀道がいかに険悪であるか。絶壁を横切る桟道を歩いていると、目の前に忽然と山が現れ、馬が雲の中を通り抜けることもあると聞いた。私はすでにその地勢についてよく知っているが、他の人たちもそう言っていたよ。あそこに向かう君が心配だが、あまりへこたれるな。桟道を覆っている花木がどれほど美しく、都城の周りを流れる曲がりくねった春の川の水は、またどれほど輝くだろうか。この天恵の贈り物をいい加減に見過ごすわけにはいかない。官位の浮き沈みにもやきもきすることはないね。どうせ運命は決まっているから、よく占うといわれるからといって漢の厳君平のような占い師は探すな。詩人の励ましは、まるで自分の経験談であり、自分への誓いのようでもある。功名に執着せず、目の前の難関に焦るな、という温かい激励に友人の足取りもいっそう軽かっただろう。

成均館(ソンギュングァン)大学名誉教授