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検察捜査権巡る法改正案は一時的に一つ二つの捜査権を検察に与えるかどうかの問題に過ぎないのか

検察捜査権巡る法改正案は一時的に一つ二つの捜査権を検察に与えるかどうかの問題に過ぎないのか

Posted April. 26, 2022 09:11,   

Updated April. 26, 2022 09:11

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今の最大野党「国民の力」の最高代表会議は昨日、検察から経済や腐敗を除いた残りの直接捜査権を剥奪する代わりに、検察に補完捜査権を与える朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長の仲裁案を巡る合意を破棄し、再議論を決定した。公職および選挙犯罪に対する直接捜査権も検察が維持する必要がある、という党内外の圧迫によるものだ。与党「共に民主党」は、国民の力が与野党合意を白紙に戻したことに反発し、一部では原案通りの強行採決すべきだと主張している。

民主党は、約1年前の検察と警察の捜査権調整が定着していない状況下で、わずか2週間前に突然、検察の捜査権を完全にはく奪する法改正案を持ち出して、今月までの可決を目標に推し進めたことは容認できない暴挙だ。国民の力も当初、仲裁案を原案と同様に刑事司法制度の改革という原則に合わないとして拒否していたならともかく、院内代表が議員総会の承認まで得て合意しておきながら覆すことも望ましくない。

国民の力は、追加要求を貫くだけの力がない。仲裁案に合意してからは、大義名分も乏しくなった。ただ民主党も、国民の力が合意を破棄したからといって、その報復として原案を貫くのは国民の反発を買うリスクが大きいため、朴炳錫仲裁案で進める方針だ。国民の力の執行部は、民主党が原案に立ち返ることはできないと見込んで再議論を持ち出したものと見られる。

金浯洙(キム・オス)検察総長は、「仲裁案は、原案の施行時期をしばらく遅らせたものにすぎない」と批判した。正しい指摘だ。検察は、経済事件や腐敗事件の直接捜査権も、重大犯罪捜査庁が新設されれば、すべての捜査権を移管しなければならない。国民の力の追加要求が貫かれたとしても、検察からしてみれば、追加で一つ二つの直接捜査権を期限付きで保有する以上の意味はない。

検察の直接捜査権を、一方では一日も早く剥奪しようとしており、片方では期限付きとは言え必ず確保しようとしながら、刑事司法制度改革が一つ二つの直接捜査権を検察に与えるかどうかの問題に転落してしまった。刑事司法制度の望ましい姿は、捜査は警察などの捜査機関に任せるが、検察が必要な場合には、捜査指揮を通じてでも直接捜査を通じてでも捜査に介入できる道を開くことだ。そうしてこそ捜査空白も防ぎ、検察や捜査機関の専横も防ぐことができる。最小限の熟慮の時間も設けずにごり押しで進めてきた民主党が先に道を誤って始まったことだが、国民の力がしっかり腰を据えることなく右往左往する姿も嘆かわしい。