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名声の肖像

Posted April. 21, 2022 08:26,   

Updated April. 21, 2022 08:26

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ニクソン大統領が、米大統領として初めて中国を訪問すると発表した時だった。頑強な反共主義者だったニクソンの中国訪問は、ウォーホルにとって大きな衝撃であり作品のインスピレーションとなった。政治には、「永遠の友邦も永遠の敵もない」という19世紀の英政治家パーマストンの言葉も浮かんだはずだ。

ウォーホルが選んだイメージは、「毛主席の語録」に掲載された白黒肖像画だ。携帯用に小さく製作された同書は、毛沢東の思想を伝えるために製作されたもので、文化大革命期間中の中国国民は携帯を義務付けられていた。

ウォーホルは、1972年から1973年の間に10点の多様な毛沢東の肖像画を製作後、これをそれぞれ数百点のエディションで複製した。これはニクソンの訪中ニュースの報道が、テレビで持続的に繰り返し再生されることに対する比喩でもあった。このように、米国で大量生産され流通された毛沢東の肖像は、もはや威圧的で英雄的な政治家のイメージではなく、コカコーラのように軽くてモンローのように華やかなポップアートのアイコンになった。もしかしたら、ウォーホルが描こうとしたのは、毛沢東という有名人の名声だったのかもしれない。