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運命を変えた詩

Posted April. 08, 2022 08:12,   

Updated April. 08, 2022 08:12

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辺境を守る兵士の手に入った綿入れ。それは唐の玄宗が女官たちに作らせて送った慰問品だった。服の中から正体の分からない文言を見つけた兵士は戸惑った。何か特別な事情を書いたのだろうか、それとも、誰かがふざけて身の上話でもしたのだろうか。詩なのか落書きなのか分からないまま、兵士は直ちに将軍に報告した。詩の意味をきちんと悟ったなら、その切ない心を大事にし、いっそう暖かい冬の過ごし方をしたはずだが、兵士はこの不慣れな文字が恐ろしかったようだ。

これを受け取った将軍も無関心なのは同じで、再び皇帝に報告する。皇帝が女官たちに詩を見せながら、「罪を問わないから、誰が書いたのか言え」と言った。一つひとつの縫い物と幾重にも綿の束の間に染み込んだはずの若い女官の真心がいじらしかっただろうし、九重の奥に閉じこめられて青春を燃やしながら、この世をあきらめて次の人生を約束する境遇が哀れだったのだろう。女官が前に出ると、皇帝は兵士と今生の縁を結ばせた。

二人の運命を一夜にして変えた一首の詩。女官としては、押さえつけられた絶望感を噴出しようとした通路だったが、結局兵士の無関心または無知によって、幸運の仲人に変わった。身と心を注ぎ込んだ一首の詩と一着の服が結んだ因縁。それは無数の女官たちが経験した悲劇の中で咲いた胸が痛む「幸運」だった。