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10年ぶりの政権引き継ぎ委員会、公約バブルを取り除き現実診断が最優先だ

10年ぶりの政権引き継ぎ委員会、公約バブルを取り除き現実診断が最優先だ

Posted March. 10, 2022 08:34,   

Updated March. 10, 2022 08:34

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第20代大統領選の当選者は5月10日の就任に先立ち、国政移行のための政権引継ぎ委員会を構成することになる。5年前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、朴槿恵(パク・クンへ)前大統領の弾劾にともなう補欠選挙で当選し、政権引き継ぎ委員会の構成なく就任したため、今回の大統領選で10年ぶりに政権引き継ぎ委員会が復活する。当選者は、今後2ヵ月間、政権引き継ぎ委員会を率いて新政権発足を準備するが、大韓民国の前に置かれた内外の挑戦は、当選の喜びを味わう余裕を許さない。

政権引き継ぎ委員会の構成と運営は、今後5年間の国政の青写真を見通すことができるバロメーターだ。普通、当選が確定して2~3週間後に構成される政権引き継ぎ委員会は、大統領任期開始後30日まで存続でき、2~3ヵ月間、国政課題の選定と政府組織の改編、首相・国務委員の人選といった新政権の産婆の役割をする。そのため、政権引き継ぎ委員会の堅固な活動こそ、新政権のスタートラインを越え、任期5年間の成功を保証するものとなる。

選挙と国政が違うように、政権引き継ぎ委員会は陣営ではない。激しい対立の中、違いを掲げる選挙とは違って、国政の基盤は半分の支持者ではなく国民全体をまとめる統合のビジョンと不偏不党の人選でなければならない。その出発点は、私たちの前に迫った多くの挑戦と危機の実状を正確に把握する現実診断だろう。このような現実認識の下、ポピュリズム公約と理念偏向スローガンから取り払ってこそ、就任100日間、さらには任期内の実現課題を再設計することができる。

このためには政権引き継ぎ委員会の人選から論功行賞でなく能力中心の適材適所の起用が原則にならなければならない。大統領選陣営の身内中心の人選では、現実診断も、国政設計も失敗せざるを得ない。過去の側近と新しい人の間の権力闘争が起こったり、中途半端な政策の乱発であちこちから破裂音が生じた歴代政権の引き継ぎ委員会の失敗例は反面教師になるだろう。当選者が、興奮と熱狂から覚めて、政権引き継ぎ委員会の構成と運営を考えなければならない理由だ。