Go to contents

物価上昇の圧力が全方向に拡大、上昇率3%超の可能性も

物価上昇の圧力が全方向に拡大、上昇率3%超の可能性も

Posted February. 14, 2022 07:48,   

Updated February. 14, 2022 07:48

한국어

物価上昇の圧力が全方向に拡大し、今年の消費者物価の上昇率が3%を超えるだろうという観測が力を得ている。年間消費者物価の上昇率が3%を上回ったのは、中東の民主化デモなどの影響を受け、国際原油価格が1バレル=100ドルを超えた2011年(4.0%)が最後だった。

韓国銀行(韓銀)は、今年の物価上昇率を2%と予想していたが、先月に2%台の半ばから後半に上方修正したのに続き、24日に発表される「経済展望報告書」で3%台に修正するという観測が出ている。グローバル供給のボトルネックによる米国などの急激な物価引き上げや、ウクライナ事態などによる地政学的不安が長期化しており、物価上昇は今年を通して続くだろうという見方が説得力を得ている。

●「物価ショック」を認めた通貨当局

韓銀は13日に発表した報告書「物価上昇の圧力拡散動向評価」で、「今年の消費者物価およびコア物価の上昇率は、昨年の水準を大幅に上回るだろう」と明らかにした。昨年の消費者物価とコア物価の上昇率は、それぞれ2.5%と1.8%だった。

最近、物価上昇の圧力は全方位的に拡散している。韓銀によると、農水産物や石油類などを除く品目のうち、前年同月比2%以上上昇した品目数は、昨年1月の67品目から今年1月は150品目へと増えた。特に外食品目と家具、自動車などの耐久財の価格上昇傾向が大きい。

消費者物価の上昇率は、昨年10月以降、4カ月連続で3%台を維持している。韓銀は、最近の物価上昇の拡大傾向は、物価高騰期と分類する2008年と2011年より高い水準だと分析した。韓銀の関係者は、「目標水準を上回る物価上昇が続き、期待インフレが高まれば、追加的物価上昇の圧力として働く可能性がある」と明らかにした。

●予測値を1%以上上方修正か

韓銀の李住烈(イ・ジュヨル)総裁は、先月の記者懇談会で、「従来より物価上昇の圧力はかなり高く、その範囲もかなり広いことを確認した。今年の物価上昇率は、2%台半ばから後半になるだろう」と述べた。

市場からは、韓銀が24日に発表する経済予測報告書を通じて、物価予測値を再度引き上げるだろうという見方が出ている。新型コロナの変異である「オミクロン株」の拡大による不確実性が大きい上、ウクライナ事態の激化を受け、国際原油価格などの原材料価格の上昇が増大しかねないからだ。

ソウル大学経済学部のアン・ドンヒョン教授は、「こうした傾向なら、今年の消費者物価の上昇率は、いくら小さく見積もっても3%台前半の水準に達するだろう」と話した。1月の消費者物価が前年同月比7.5%上昇して40年ぶりの最大幅の上昇を記録した米国は、今年の消費者物価の上昇率を4.8%と予想している。

国際原油価格が1バレル90ドルを上回り、国内のガソリン販売価格も1リットル1700ウォンに迫っている。4週連続の上昇を受け、政府の油類税引き下げ措置が顔負けするほど、値上げとなった。本格的な金利引き上げを受け、都市銀行の住宅ローン金利の最高水準が年6%に迫り、融資者らの利息への負担も増している。

物価不安に政府は注視しているが、これといった対策がないのが現状だ。朴洙賢(パク・スヒョン)大統領国民疎通首席秘書官は同日、フェイスブックに、「大統領は今、物価管理中」とし、「毎朝開かれる参謀会議で、私が経済首席を呼ぶ言葉があるが、『卵首席』がそれだ。それだけ、関連物価が大統領の前で多く報告され、指示されるという意味だ」と伝えた。しかし、構造的物価上昇の局面で、卵などの個別品目の価格管理で物価を安定させるのは限界があり、効果を確約することは未知数だ。


朴民優 minwoo@donga.com